社会の闇!?パチンコがギャンブルにならない理由を分かりやすく解説

なぜパチンコは「ギャンブル」にならないのか?
――行政書士がわかりやすく解説する日本独特の法的仕組み
「パチンコって、どう見てもギャンブルでは?」
「お金が増えたり減ったりするのに、なぜ違法ではないの?」
このような疑問を持たれたことがある方は、非常に多いと思います。
実際、海外ではパチンコに近い遊技が賭博(ギャンブル)として禁止されている国も少なくありません。
それにもかかわらず、日本ではパチンコ店が全国各地で営業しており、
警察も営業を黙認しているどころか、一定の規制のもとで正式に認められているのが現状です。
本記事では、
**「なぜパチンコはギャンブルにならないのか」**という疑問について、
行政書士の立場から、法律初心者の方にもわかるように詳しく解説します。
1.そもそも「ギャンブル(賭博)」とは何か?
まず前提として、法律上の「ギャンブル(賭博)」の定義を確認する必要があります。
(1)賭博の定義(刑法)
日本の刑法では、次のように定められています。
刑法185条
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。
ここでいう「賭博」とは、
偶然の結果によって財物(お金など)の得喪を争う行為をいいます。
賭博の3要件
法律上、賭博と判断されるためには、次の要件が必要とされています。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 偶然性 | 結果が運に左右される |
| 財物性 | お金や物のやり取りがある |
| 得喪性 | 勝ち負けによって損得が生じる |
一見すると、パチンコはこの3つをすべて満たしているように見えます。
2.それでもパチンコが違法にならない理由
結論から申し上げると、
パチンコは法律上「賭博」ではなく、「遊技」として扱われているためです。
では、なぜそのような扱いが可能なのでしょうか。
3.風営法による「遊技」という位置づけ
(1)風営法とは?
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
(一般に「風営法」と呼ばれます)は、
- 善良な風俗の保持
- 青少年の健全育成
- 治安の維持
を目的とした法律です。
パチンコ店は、この風営法に基づく
**「風俗営業(第7号営業)」**として許可を受けています。
(2)パチンコは「賭博」ではなく「遊技」
風営法では、パチンコを次のように整理しています。
| 区分 | 法律上の扱い |
|---|---|
| パチンコ | 遊技 |
| 競馬・競輪 | 公営ギャンブル |
| カジノ(原則) | 違法賭博 |
つまり、
パチンコは刑法ではなく、風営法の枠組みで規制されているのです。
4.最大のポイント:「三店方式」とは?
パチンコがギャンブルにならない最大の理由が、
いわゆる**「三店方式」**と呼ばれる仕組みです。
(1)三店方式の概要
三店方式とは、次の3者が形式上、別々に存在する仕組みです。
① パチンコ店
↓(景品を渡す)
② 客
↓(景品を売却)
③ 景品交換所
↓(景品を卸す)
④ 景品問屋
↓
① パチンコ店
(2)それぞれの役割
| 事業者 | 役割 |
|---|---|
| パチンコ店 | 玉を景品に交換 |
| 景品交換所 | 景品を現金で買い取る |
| 景品問屋 | 景品を流通させる |
重要な点は、
パチンコ店が直接お金を渡していないという点です。
(3)なぜこれで賭博にならないのか?
刑法上の賭博では、
「勝ったら店から直接お金をもらう」ことが問題になります。
しかしパチンコでは、
- パチンコ店 → お金を渡さない
- 客 → 景品を受け取るだけ
- 現金 → 別の事業者が支払う
という構造になっています。
そのため、
「パチンコ店と客の間で金銭の得喪がない」
という理屈が成り立ち、賭博に該当しないと解釈されています。
5.実例で考える:もし三店方式がなかったら?
実例①:店が直接現金を渡した場合
もしパチンコ店が、
- 出玉に応じて
- 直接現金を支払った場合
これは明確に賭博となり、違法です。
実例②:景品交換所が店と同一経営だった場合
仮に、
- パチンコ店と景品交換所が同じ会社
- 実質的に一体運営
この場合、
「形式だけ分けた賭博」と判断される可能性が高く、
違法となるリスクがあります。
6.警察はなぜ取り締まらないのか?
よくある疑問として、
「警察はこの仕組みを知っていて黙認しているのでは?」
という声があります。
これについては、
- 三店方式が長年の行政解釈として認められている
- 風営法・条例に基づく厳しい監督がある
という背景があります。
ただし、
明文で三店方式を合法と定めた法律は存在しません。
この点については、
「グレーではあるが、現行制度上は違法とされていない」
というのが実務上の整理です。
7.まとめ|パチンコは「合法」だが「無制限に自由」ではない
パチンコがギャンブルにならない理由は、
- 風営法による「遊技」という位置づけ
- 三店方式による金銭授受の分離
- 行政解釈と長年の運用
という、日本独特の法的構造によるものです。
ただし、
これは「何をしても合法」という意味ではありません。
- 換金率の問題
- 名義貸し
- 実質的な一体経営
などがあれば、
風営法違反・刑法違反となる可能性もあります。
行政書士事務所へのご相談のご案内
- パチンコ店・遊技場の開業を検討している
- 風営法の許可・変更届について相談したい
- 名義貸しや法人化のリスクを確認したい
- 警察対応・立入調査が不安
このような場合は、
風営法を扱う行政書士に早めにご相談されることをおすすめします。
制度を正しく理解することで、
知らずに違法状態に陥るリスクを回避することが可能です。
ご不明点がございましたら、
ぜひ一度、行政書士事務所までお気軽にお問い合わせください。
