自宅を民泊として使うにはどうすればいい?

自宅を民泊として運営する場合、法律上の規制・許可・届出が複数あるため、きちんと整理して進める必要があります。
ここでは、初心者にもわかりやすく、行政書士の視点でまとめます👇


目次

🏡1.自宅を民泊として使うとは?

民泊=住宅を短期間宿泊施設として提供すること。
日本では、宿泊営業には主に次の法律が関係します:

法律主な内容
旅館業法「ホテル・旅館・簡易宿所」などの営業許可
民泊新法(住宅宿泊事業法)個人宅の民泊営業を規制(2018年6月施行)
建築基準法用途制限(住宅を宿泊施設に変更できるか)
消防法火災報知器・避難経路など安全設備の基準

📝2.民泊の種類と特徴

① 住宅宿泊事業(民泊新法)

  • 営業日数:年間180日以内
  • 個人の住宅を宿泊施設として貸す
  • 手続き:市区町村への届出
  • 必要設備:火災報知器、消火器、避難経路表示など
  • 利点:比較的簡単に始められる

② 簡易宿所(旅館業法)

  • 営業日数の制限なし
  • 旅館業法に基づく許可が必要(保健所)
  • 必要設備:浴室・トイレ・消火器・衛生設備など
  • 利点:365日営業可能、Airbnbなども活用できる

③ 特区民泊(国家戦略特区)

  • 一部地域で365日営業が可能
  • 地方自治体と国の特区制度を活用
  • 条件:特区内の物件・届出・消防・管理体制

🏗️3.必要な手続き

A. 住宅宿泊事業(民泊新法)で始める場合

  1. 市区町村に届出
    • 届出書類:営業者情報・施設情報・営業日数・管理者連絡先
    • 添付書類:登記簿謄本(住宅所有者)、消防設備確認書、管理規約など
  2. 消防法・安全基準を満たす
    • 火災報知器、消火器、避難経路の表示
  3. 営業開始
    • 届出後、営業可能(許可は不要)

B. 旅館業法で簡易宿所として営業する場合

  1. 保健所に申請
    • 必要書類:営業許可申請書、平面図、設備の写真など
  2. 現地調査・検査
    • 衛生・安全・建築基準の確認
  3. 営業許可交付
  4. 営業開始
    • 許可証を掲示する義務あり

C. 特区民泊の場合

  • 特区条例に従い、自治体・国家戦略特区両方に申請
  • 365日営業が可能
  • 消防・衛生管理の基準は厳格

⚠️4.自宅民泊の注意点

  1. 住宅の用途制限
    • 賃貸マンション・分譲マンションの場合、管理規約で禁止されていることが多い
    • 無断で行うと契約違反・損害賠償のリスク
  2. 近隣トラブル
    • 騒音・ゴミ問題・不特定多数の出入り
    • 事前に近隣住民への説明や管理体制を整える
  3. 税金・届出
    • 所得税・住民税の課税対象
    • 消費税(年間売上1,000万円以上の場合)
  4. 保険加入
    • 民泊専用の賠償責任保険への加入が推奨
  5. 運営代行会社との契約
    • 清掃・予約管理・トラブル対応を代行できる

💰5.費用の目安

項目住宅宿泊事業簡易宿所(旅館業法)
消防設備費約5〜20万円約20〜50万円
保健所申請費用無料約3,000〜5,000円
広告・予約サイト手数料売上の10〜15%同上
清掃費1回2,000〜5,000円同上

✅6.まとめ

ポイント住宅宿泊事業簡易宿所特区民泊
営業日数年間180日以内制限なし制限なし
許可・届出届出許可届出(特区)
開業難易度★★★(簡単)★★(許可必要)★★(規制厳格)
消防・安全設備必要必要厳格に必要
近隣対応注意注意注意

💡ポイント:

  • 自宅で民泊をやるならまず「住宅宿泊事業法(民泊新法)」で届出するのが最も簡単
  • マンション・アパートの場合は管理規約の確認が必須
  • 消防・安全設備・近隣対応を徹底すること

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この記事を書いた人

東京都行政書士会墨田支部所属の富森翔太です。
相続、許認可、会社設立等の業務を行なっています。
行政や法律に関する疑問や手続きについてわかりやすく発信していきます。

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