風俗営業許可を引き継ぐことは出来ますか?

結論から言うと――

❌ 風俗営業許可は、原則として引き継ぐことはできません。

つまり、
親・前経営者・前会社が持っていた「風俗営業許可」を
そのまま他の人や会社が使うことはできません。

以下で理由と例外的なケースをわかりやすく説明します👇


目次

💡1.そもそも「風俗営業許可」とは

「風俗営業」とは、
風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)に基づき、
以下のような営業を指します。

例:

  • キャバクラ・ホストクラブ
  • スナック・バー(接待行為がある)
  • ダンスホール
  • パチンコ店・麻雀店・ゲームセンター(深夜営業)

これらを営業するには、**警察署長の許可(風俗営業許可)**が必要です。


🚫2.引き継ぎができない理由

風俗営業許可は、

「営業者(=申請者)」と「営業所(=店舗)」を一体として許可するもの

つまり、

  • 人(個人・法人)
  • 場所(店舗)
  • 営業内容

がセットで許可されています。

したがって――
経営者が変われば「営業者」が変わるため、
許可は自動的に無効になります。


🔁3.引き継ぎたい場合の対応方法

✅ 方法①:新しい経営者が「新規で許可申請」する

もっとも一般的で確実な方法です。

流れ👇

  1. 前経営者と店舗の賃貸・売買契約を結ぶ
  2. 営業所を引き継ぐ(内装や構造が基準に合っているか確認)
  3. 新経営者(個人または法人)が風俗営業許可を新規申請
  4. 許可が下りた後に営業開始

💡ポイント:

  • 許可が出るまでは営業できません。
  • 無許可営業を行うと「無許可営業(風営法違反)」で刑事罰(懲役・罰金)があります。

✅ 方法②:法人の場合の「代表者変更」や「会社譲渡」

風俗営業の許可は「法人名義」で出される場合もあります。
その場合、法人そのものが存続している限り、許可は継続します。

つまり、

  • 法人をそのまま残して「株式(会社)を譲渡」する
  • 代表者を変更しても、法人が同じなら許可は有効

というケースは「実質的な引き継ぎ」が可能です。

ただし注意:

  • 名義貸しにあたると違法です。
  • 実際の経営実態と法人名義が一致している必要があります。
  • 管轄の警察署に「届出」や「変更申請」が必要です。

🧾4.引き継ぎ・譲渡に関する主な注意点

項目内容
許可の性質営業者・営業所・営業内容が一体の許可
個人から他人へ不可(新規申請が必要)
法人のまま事業譲渡会社ごと譲渡すれば許可継続可能
名義貸し違法。刑事罰あり
営業所移転新規申請が必要
許可の有効期限無期限(廃止届または営業実態が変わると無効)

⚖️5.無許可営業のリスク

風営法違反となり、次のような罰則が科されます👇

  • 2年以下の懲役または200万円以下の罰金
  • 行政処分(営業停止・許可取消)
  • 信用情報・警察記録に残る

風俗営業の取り締まりは非常に厳しく、
「許可証の名義と実際の経営者が違う」だけでも問題になります。


🏢6.実際に引き継ぐ場合の安全な進め方

  1. 現経営者と譲渡契約を締結(店舗・設備・営業権)
  2. 店舗の構造・設備を確認(風営法基準に適合しているか)
  3. 新しい経営者が新規許可申請
  4. 許可が下りてから開業
  5. 法人譲渡を検討する場合は、行政書士に相談

✅7.まとめ

項目内容
許可の引き継ぎ原則できない(営業者が変わるため)
例外法人ごと譲渡すれば許可維持は可能
名義貸し違法。厳罰対象
対処法新しい経営者が新規で許可申請
相談先行政書士(風営法専門)・警察署生活安全課

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この記事を書いた人

東京都行政書士会墨田支部所属の富森翔太です。
相続、許認可、会社設立等の業務を行なっています。
行政や法律に関する疑問や手続きについてわかりやすく発信していきます。

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