目次
◆ 結論
転売行為そのものは、法律で一律に禁止されているわけではないため、すぐに逮捕の対象にはなりません。
ただし、一定の条件を満たすと違法となる場合があります。つまり、合法と違法の線引きが細かく定められているのです。
◆ 1. 転売そのものは原則として違法ではない理由
日本の法律では、個人が自分で購入した商品を第三者に販売する行為は、
「私的な財産の処分」として基本的に自由とされています。
したがって、たとえ高額で販売しても、
法律違反には直ちには該当しないのです。
たとえば、
- 限定スニーカーを購入して高値で売却する
- 人気フィギュアをまとめ買いして再販する
といった行為は、倫理的には批判を受けても、法律上の「犯罪」にはなりません。
◆ 2. 違法になる転売の主なケース
ただし、次のようなケースでは明確に違法行為とされ、逮捕や罰則の対象になることがあります。
(1)チケットの不正転売
- 「チケット不正転売禁止法」により、
主催者の許可なくチケットを定価を超える価格で転売する行為は違法です。 - 違反した場合は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。
(2)古物営業法違反
- 中古品や中古に近い商品を**「営利目的」で継続的に販売**する場合、
古物商許可を警察から取得する必要があります。 - 無許可で転売を繰り返すと、「無許可営業」として罰則の対象になります。
(3)偽造品や詐欺的販売
- 偽物や改造品を正規品として販売した場合、商標法違反や詐欺罪が成立します。
- 特にブランド品やコンサートグッズなどで多く見られます。
(4)不正アクセスやボット利用
- 自動購入ツール(いわゆる「ボット」)を用いて、
公式サイトの制限を不正に突破する行為は、不正アクセス禁止法違反にあたる可能性があります。
◆ 3. それでも逮捕されにくい理由
- 立証が難しい:
警察は、転売が「個人の範囲」か「営利目的」かを証明しなければなりません。
そのため、証拠を集めるのに時間がかかります。 - 匿名性が高い:
フリマアプリや匿名配送を利用している場合、販売者の特定が困難です。 - 優先度の問題:
警察は詐欺や暴力犯罪などの重大事件を優先して捜査するため、
転売だけの案件に人員を割けないことがあります。 - 民事対応で終わることも多い:
主催者やメーカーが、転売者を刑事告訴するよりも、
プラットフォーム上で出品停止やアカウント削除を行うことが多いためです。
◆ 4. 主催者・プラットフォーム側の対応
- チケット販売会社やメルカリ・ヤフオクなどでは、
利用規約で営利目的の転売を禁止しています。 - 違反が判明した場合は、
出品削除やアカウント停止などの措置が取られます。
このため、「逮捕されなくても、取引自体ができなくなる」という形で
事実上の制裁が加えられることも多くなっています。
◆ 5. まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 転売は違法? | 原則は合法。ただし条件次第で違法になる。 |
| 違法となる主な場合 | チケット転売、古物商法違反、偽造品販売、不正アクセスなど |
| なぜ逮捕されにくい? | 立証が難しく、優先度も低い |
| 対応 | 主催者・運営会社が規約違反として処分するケースが多い |


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