婚前契約書の作成手順

婚前契約書(結婚前契約書・プレナプ契約とも呼ばれます)を作成する手順は、以下の流れで進めるとスムーズです。
日本ではまだ一般的ではありませんが、法的に有効にするためのポイントを押さえておくことが重要です。


目次

💍 婚前契約書作成の手順

① 目的を明確にする

まず、何のために婚前契約を結ぶのかを明確にします。
たとえば次のような目的があります:

  • 離婚時の財産分与を明確にする
  • 結婚後の家計の管理方法を決める
  • 借金・資産の取り扱いを明確にする
  • 子どもの養育方針や教育費の負担を定める
  • 相続・贈与に関する取り決めをする

② 夫婦で話し合う

お互いが納得することが大前提です。
ポイントは以下の通り:

  • 一方的な内容にしない
  • 「もしもの時」に備えた冷静な話し合い
  • 感情的にならず、「将来を守るため」と考える

③ 契約内容を整理・文書化

話し合いで決まった内容を項目ごとに整理し、文書案を作ります。
一般的な項目は以下のとおり:

項目内容例
財産の取り扱い結婚前の財産は各自のものとする/結婚後に築いた財産は共有とする
生活費の分担収入比に応じて家計を負担する
借金の責任各自の名義の借金は各自が負担する
離婚時の取り決め財産分与・慰謝料の有無・養育費の支払い
その他ペットの飼育、家事分担、居住地など

④ 弁護士・行政書士に相談

自分たちで作ることも可能ですが、法的効力を持たせるには専門家の確認が重要です。
特に以下の点でチェックを受けましょう:

  • 法律に反する条項がないか
  • 公序良俗(社会的道徳)に反しないか
  • 文言があいまいでなく、法的に有効か

※行政書士は文書作成代理、弁護士は法的効力やトラブル時の対応まで可能です。


⑤ 公正証書にする(推奨)

契約書を公正証書にしておくと、より確実です。
手順は以下の通り:

  1. 内容をまとめた契約書案を作る
  2. 夫婦それぞれが身分証と印鑑を用意
  3. 公証役場に予約・提出
  4. 公証人が内容を確認し、公正証書として作成

💡 公正証書にすれば、後のトラブル時に「強い証拠」となります。


⑥ 契約書を保管

  • 原本は公証役場で保管されます(謄本を交付してもらえます)。
  • 自分たちもそれぞれコピーを保管しておくと安心です。

🧾 費用の目安

項目費用相場
契約書作成(行政書士)約3〜10万円
公正証書作成手数料約1〜2万円前後
弁護士相談料30分あたり5,000〜1万円程度

📚 まとめ:婚前契約書のポイント

  • お互いが納得したうえで作成すること
  • 曖昧な表現を避けること
  • できれば公正証書にすること
  • 専門家チェックを入れること

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この記事を書いた人

東京都行政書士会墨田支部所属の富森翔太です。
相続、許認可、会社設立等の業務を行なっています。
行政や法律に関する疑問や手続きについてわかりやすく発信していきます。

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