「ガールズバー」と「キャバクラ」は、どちらも女性が接客するお店ですが、
法律上の区分(=風営法上の扱い) がまったく違います。
この違いを理解することは、開業や許可申請の際に非常に重要です。
以下で、行政書士の実務レベルでわかりやすく解説します👇
目次
💡結論(ざっくり)
| 項目 | ガールズバー | キャバクラ |
|---|---|---|
| 法律上の分類 | 飲食店営業(深夜酒類提供飲食店) | 風俗営業(接待行為あり) |
| 根拠法 | 食品衛生法・風営法(第33条の2) | 風営法(第2条第1項第1号) |
| 接客スタイル | カウンター越しで会話のみ | 隣に座って接待・同席あり |
| 許可・届出 | 警察署に「深夜酒類提供飲食店営業届」 | 警察署に「風俗営業許可」 |
| 営業時間 | 原則 深夜0時以降も営業可能 | 深夜0時以降は営業禁止 |
| 照明・構造の基準 | 明るさ制限なし | 一定以上の照度・構造制限あり |
| 開業の難易度 | 比較的容易(届出) | 難易度高(許可制) |
| 主なトラブル | 実態がキャバクラ化→風営法違反 | 許可なし営業→無許可営業で刑事罰 |
🏮1.キャバクラとは
📘法律上の定義
風営法第2条第1項第1号による「接待飲食等営業」に該当します。
「客に接待をして飲食をさせる営業」
つまり、
女性従業員が客のそばに座り、
会話・カラオケ・飲み物を注ぐなどして**“接待”**を行う場合は、
**風俗営業許可(1号営業)**が必要です。
🔸特徴
- 隣に座る
- お酒を注ぐ
- タバコに火をつける
- カラオケで一緒に歌う
→ これらは「接待行為」とみなされます。
⏰営業時間
- 深夜0時以降は営業禁止(例外なし)
📝必要な許可
- 風俗営業許可申請(警察署 → 都道府県公安委員会)
- 飲食店営業許可(保健所)も併せて必要
🍸2.ガールズバーとは
📘法律上の扱い
原則として「接待をしない飲食店」=深夜酒類提供飲食店に分類されます。
カウンター越しにお酒を提供し、会話を楽しむお店
🔸特徴
- カウンター越しで接客(同席しない)
- 会話はするが、過度な接待はしない
- チェイサーやおつまみを出す程度
⏰営業時間
- 深夜0時以降も営業OK(届出を出せば可能)
📝必要な届出
- 飲食店営業許可(保健所)
- 深夜酒類提供飲食店営業届(警察署)
⚠️3.よくある違反例(実務で多いケース)
| 事例 | 問題点 |
|---|---|
| カウンター越しに座るが、客の隣に行く | → 接待行為と判断され、風営法違反 |
| 客のグラスにお酒を注ぐ | → 接待行為とみなされる |
| ハグ・タッチ・写真撮影などをする | → 風俗営業に該当 |
| カラオケを一緒に歌う | → 接待行為扱いになる場合あり |
💥このような行為をしていると、
「届出制」なのに「許可が必要な営業をしている」=無許可風俗営業となり、
**刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金)**の対象になります。
🏢4.必要な行政手続きの比較
| 手続き | ガールズバー | キャバクラ |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可(保健所) | 必要 | 必要 |
| 深夜酒類提供飲食店届出 | 必要(深夜営業する場合) | 不要(深夜営業できない) |
| 風俗営業許可 | 不要(接待なしなら) | 必要(接待あり) |
| 営業時間 | 深夜もOK | 深夜営業不可 |
| 警察署の審査 | 届出制(比較的簡単) | 許可制(厳格な審査) |
🧭5.まとめ
| 項目 | ガールズバー | キャバクラ |
|---|---|---|
| 接待行為 | なし | あり |
| 営業時間 | 深夜もOK | 0時まで |
| 許可・届出 | 深夜酒類提供飲食店届 | 風俗営業許可 |
| 監督機関 | 警察署・保健所 | 警察署・公安委員会 |
| 違反リスク | 接待行為をしたら風営法違反 | 無許可営業は重罰 |
💬6.ポイント(開業前に覚えておくこと)
- 「カウンター越し」=セーフ、「同席」=アウト。
- ガールズバーの内装はカウンターのみにするのが基本。
- 「店内照明」「防音」「風俗営業地域の制限」も要確認。
- 許可や届出は**行政書士(風営法専門)**に依頼可能。


コメント