なぜライブハウスはワンドリンク制なのか?風営法の観点から行政書士がわかりやすく解説

ライブハウスでは、ほぼ当たり前のように採用されている**「ワンドリンク制」**。
これについて、来場者や開業予定者から、次のような疑問をよく耳にします。
- なぜ必ずドリンクを注文しなければならないのか
- 経営上の理由だけではないのか
- 法律、特に風営法と関係があるのではないか
結論から申し上げますと、
**ライブハウスがワンドリンク制を採用する大きな理由の一つは、「風営法との関係を整理しやすくするため」**です。
この記事では、法律に詳しくない方でも理解できるように、
- 風営法とは何か
- ライブハウスが風営法の問題になりやすい理由
- ワンドリンク制がなぜ風営法対策になるのか
- 東京都墨田区の具体例
を、図・表・実例を交えながら詳しく解説します。
1.まず押さえておきたい「風営法」とは何か
風営法の正式名称と目的
風営法とは、正式には
**「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」**といいます。
この法律の目的は、
善良な風俗環境を守り、青少年を保護すること
にあります。
風営法が規制する代表的な営業
風営法では、特定の営業形態を「風俗営業」や「特定遊興飲食店営業」として規制しています。
| 区分 | 内容(簡単に) |
|---|---|
| 風俗営業1号 | キャバクラなど接待を伴う飲食店 |
| 風俗営業2号 | 低照度飲食店 |
| 風俗営業3号 | 区画席飲食店 |
| 特定遊興飲食店営業 | 深夜に客を遊興させる営業(クラブ等) |
※遊興とは、「客を楽しませる行為全般」を指し、
踊らせる、盛り上げる、過度に煽る行為などが含まれます。
2.ライブハウスは風営法と無関係ではない
「音楽を演奏するだけ」でも注意が必要な理由
ライブハウスは一見すると、
音楽を聴かせるだけの健全な施設
に見えます。
しかし、風営法の実務では、次の点が問題になりやすいのです。
風営法で見られるポイント
| 見られる点 | 内容 |
|---|---|
| 営業時間 | 深夜0時以降か |
| 客の行動 | 踊っているか |
| 店の演出 | 照明・音量 |
| 店の性質 | 飲食が主か、遊興が主か |
つまり、**「ライブハウスかどうか」ではなく、「実態がどうか」**で判断されます。
3.ワンドリンク制が風営法対策になる理由【核心】
理由①「飲食店」であることを明確にできる
ワンドリンク制を採用すると、営業の性質が明確になります。
図解:営業実態の整理
ワンドリンク制あり
↓
飲食の提供が前提
↓
飲食店営業として整理
↓
風営法(遊興)から距離を取れる
風営法上問題になるのは、
**「遊興が主で、飲食が従」**という形態です。
ワンドリンク制があることで、
音楽+飲食を楽しむ場
という整理がしやすくなります。
理由②「遊興性」を下げる効果がある
遊興性とは?
遊興性とは、簡単に言えば、
客を積極的に楽しませ、非日常的な高揚感を与える度合い
です。
例えば、
- 踊ることを強く促す
- DJが客を煽り続ける
- 照明を極端に暗くする
これらは、風営法上「遊興性が高い」と評価されやすくなります。
ワンドリンク制の効果
- 着席・飲食が前提
- 客の行動が落ち着く
- クラブ的営業と区別しやすい
結果として、警察・行政から見た印象が大きく変わります。
理由③「特定遊興飲食店営業」と区別しやすい
特定遊興飲食店営業とは?
これは、簡単に言うと、
深夜0時以降に、飲食を提供しながら客を遊興させる営業
です。
クラブやディスコが代表例です。
ワンドリンク制がある場合
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 主目的 | 飲食+鑑賞 |
| 遊興性 | 低〜中 |
| 風営法該当 | 低い |
ワンドリンク制がない場合、
- 立ちっぱなし
- 踊るのが前提
- 飲食しない客が多数
となり、クラブに近い実態と判断されるリスクが高まります。
4.【実例】墨田区のライブハウスを想定したケース
実例設定
- 東京都墨田区在住のCさん
- 墨田区内でライブハウスを運営
- 収容人数:100人
- 夜公演が中心
ケース① ワンドリンク制なし
| 状況 | 評価 |
|---|---|
| 飲食しない客多数 | 飲食店性が弱い |
| 立見・盛り上がり中心 | 遊興性が高い |
| 深夜帯営業 | 風営法リスク高 |
👉 警察から営業形態について確認が入る可能性あり
ケース② ワンドリンク制あり
| 状況 | 評価 |
|---|---|
| 全員ドリンク注文 | 飲食店性が明確 |
| 着席・鑑賞中心 | 遊興性が抑えられる |
| 表示も明確 | 行政説明が容易 |
👉 風営法上のリスクが大幅に低下
5.ワンドリンク制と「深夜営業」の関係
深夜0時以降の注意点
深夜0時以降に、
- 酒類を提供する場合
→ 深夜酒類提供飲食店営業届出が必要
※これは風営法とは別制度ですが、
飲食店として整理していることが前提になります。
ワンドリンク制がないと、
そもそも飲食店なのか?
という点で、行政との話が噛み合わなくなることがあります。
6.ワンドリンク制がない場合に起きやすいトラブル
トラブル① 風営法該当の疑い
- クラブと同視される
- 営業停止指導
- 是正勧告
トラブル② 警察・行政への説明が困難
「なぜ飲食店営業許可を取っているのに、誰も飲食していないのか?」
この質問に明確に答えられないと、
営業実態と許可内容がズレていると判断されかねません。
7.まとめ|ワンドリンク制は風営法対策として非常に重要
最後に、ポイントを整理します。
✔ ライブハウスは風営法と無関係ではない
✔ ワンドリンク制により「飲食店性」を明確にできる
✔ 遊興性を下げ、クラブとの区別がしやすくなる
✔ 行政・警察への説明が圧倒的に楽になる
**ワンドリンク制は、単なる慣習ではなく「法的リスク管理」**なのです。
ライブハウスの営業形態・風営法でお悩みの方へ
ライブハウスの運営には、
- 風営法
- 食品衛生法
- 深夜酒類提供の届出
- 消防法
など、複数の法令が密接に関係します。
「自分の店は風営法に引っかからないか?」
「墨田区で開業予定だが、ワンドリンク制は必要か?」
そのような不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
富森行政書士事務所では、
- ライブハウスの営業形態チェック
- 風営法リスクの事前整理
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を、法律初心者の方にも丁寧に、わかりやすくご説明しながら対応しております。
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