障がい者の家族がいます。成年後見制度について詳しく教えて。

「成年後見制度(せいねんこうけんせいど)」は、
認知症・知的障がい・精神障がいなどで判断能力が十分でない人を、
法律的に守るための制度です。

簡単に言うと👇

🧾「自分で契約やお金の管理が難しくなったときに、代わりにそれをしてくれる人(後見人)を裁判所が選んでくれる制度」です。


目次

🔹1.成年後見制度の目的

判断能力が低下した人が、

  • 不利な契約を結ばされたり、
  • 財産を勝手に使われたり、
  • 生活に困ったりしないように、

法律的に保護し、安心して生活できるようにすることです。


🔹2.制度の種類(2つある)

成年後見制度には、大きく分けて次の2種類があります👇

種類開始時期誰が決めるか主な特徴
法定後見制度判断能力が低下してから家庭裁判所裁判所が後見人を選ぶ
任意後見制度判断能力があるうちに契約本人が決める将来に備える仕組み

🧾3.法定後見制度(判断能力がすでに不十分な人向け)

種類は3段階:

  1. 後見:ほとんど判断できない(例:重度の認知症)
  2. 保佐:判断にかなり支援が必要(例:中度の認知症)
  3. 補助:一部の判断だけ支援が必要(例:軽度の認知症)

後見人ができること:

  • 財産の管理(通帳・年金・不動産など)
  • 契約行為の代理(介護施設の契約など)
  • 不利益な契約を取り消す権限

申立てできる人:

本人、配偶者、4親等内の親族、市町村長など
→ 家庭裁判所が後見人を選任します。


🧾4.任意後見制度(将来に備えるタイプ)

内容:

判断能力がしっかりしているうちに、
「将来自分が判断できなくなったとき、誰に任せるか」を
公正証書で契約しておく制度です。

特徴:

  • 自分で信頼できる人(家族・専門職など)を選べる
  • 将来、必要になった時に「任意後見契約」が発動する
  • 公証役場で手続きするため、安全性が高い

🔹5.成年後見人になれる人

  • 家族(配偶者・子・兄弟など)
  • 専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士など)
  • 法人(公益社団法人など)

家庭裁判所が「本人の利益を最も守れる人」を選びます。


🔹6.注意点・デメリットもある

  • 家庭裁判所の監督下に置かれる(報告義務がある)
  • 費用(申立費用・後見人報酬など)がかかる
  • 財産を自由に動かせなくなる場合がある

→ だからこそ、元気なうちに「任意後見」で準備する人が増えています。


🔹7.まとめ

区分いつ始まる誰が決める主な対象メリット
法定後見制度判断能力が低下してから家庭裁判所現在すでに判断が難しい人すぐ保護できる
任意後見制度判断能力があるうちに契約本人が決める将来に備えたい人自分で後見人を選べる
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この記事を書いた人

東京都行政書士会墨田支部所属の富森翔太です。
相続、許認可、会社設立等の業務を行なっています。
行政や法律に関する疑問や手続きについてわかりやすく発信していきます。

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