公正証書の電子化(電子公正証書制度)とは?― いつから使える?何が変わる?メリット・注意点を行政書士が徹底解説 ―

公正証書が電子化されたと聞いたけど、何が変わったの?
遺言書や契約書もオンラインで作れるの?
紙の公正証書と法的効力は同じ?

近年、行政手続のデジタル化が進む中で、
**公正証書の電子化(電子公正証書制度)**が始まり、注目を集めています。

本記事では、

  • 公正証書とは何か
  • 電子公正証書制度の概要
  • 何が電子化され、何が電子化されないのか
  • メリット・デメリット
  • 東京都墨田区に住んでいる方の実例
  • 利用する際の注意点

について、法律初心者の方にも分かりやすく、図や表を交えて詳しく解説します。


目次

そもそも「公正証書」とは?(専門用語の補足)

公正証書の定義

**公正証書(こうせいしょうしょ)**とは、
公証役場で、公証人が作成する公文書のことです。

公証人とは?

公証人とは、
法務大臣から任命された法律の専門家で、
契約内容や意思表示を「公的に証明する」役割を担います。


公正証書の代表例

種類内容
公正証書遺言確実に残す遺言書
金銭消費貸借契約お金の貸し借り
離婚給付契約養育費・慰謝料の取り決め
任意後見契約判断能力低下に備える契約

公正証書の特徴

  • 高い証明力
  • 原本が公証役場に保管される
  • 裁判なしで強制執行できる場合がある

➡ トラブル防止に非常に有効な書類です。


公正証書の電子化とは?(電子公正証書制度)

電子公正証書制度の概要

電子公正証書制度とは、
従来「紙」で作成していた公正証書の一部を
電磁的記録(データ)として作成・保存する制度です。


電磁的記録とは?(専門用語の補足)

電磁的記録とは、
電子データとして保存される記録のことをいいます。

例:

  • PDFデータ
  • 電子署名付きデータ

【図解】紙の公正証書と電子公正証書の違い

従来
本人 → 公証役場 → 紙の公正証書作成・保管

電子化後
本人 → 公証役場 → 電子データで作成・保管

いつから電子公正証書制度は始まった?

電子公正証書制度は、
令和6年(2024年)以降、段階的に導入されています。

ただし、

⚠ すべての公正証書が一斉に電子化されたわけではありません。


何が電子化される?されない?

電子化される主な内容

  • 公正証書の「原本」を電磁的記録で保存
  • 電子署名・電子認証の活用
  • 電子的な謄本(写し)の交付

【表】電子化の対応状況(イメージ)

項目電子化
原本の保管
電子署名
電子謄本交付
完全オンライン完結△(一部制限あり)

※実務上は、本人確認等のため、
来所が必要なケースも多い点に注意が必要です。


電子公正証書の法的効力は?

結論:紙と同じです

電子公正証書は、

👉 紙の公正証書と同一の法的効力

を持ちます。


なぜ効力が同じなのか?

理由は、

  • 公証人が作成する点は同じ
  • 公証人法・関係法令に基づく制度
  • 改ざん防止措置が施されている

ためです。


電子公正証書のメリット

① 紛失・劣化のリスクがない

紙の場合、

  • 紛失
  • 火災・水害
  • 経年劣化

といったリスクがありますが、
電子公正証書はデータとして厳重に管理されます。


② 謄本の取得がスムーズ

従来は、

  • 郵送
  • 窓口請求

が中心でしたが、
電子化により手続きの効率化が期待されます。


③ 将来的なオンライン化への対応

今後は、

  • 遠隔地からの利用
  • 高齢者・障害のある方の負担軽減

につながると考えられています。


電子公正証書の注意点・デメリット

① すべてが電子で完結するわけではない

現時点では、

  • 本人確認
  • 意思確認

のため、
対面が必要なケースが多いです。


② 対応していない公証役場もある

電子公正証書制度は、
公証役場ごとに対応状況が異なる場合があります。


③ 内容の複雑さは変わらない

電子化されても、

  • 内容の法的チェック
  • 条文作成

は依然として重要です。


【実例】東京都墨田区に住んでいる方の場合

ケース:電子公正証書で任意後見契約を検討

墨田区在住のBさん(70代)は、
将来に備えて任意後見契約を検討していました。

任意後見契約とは?(専門用語の補足)

判断能力が低下した場合に備え、
あらかじめ後見人を決めておく契約です。


電子公正証書を検討した理由

  • 書類を自宅で保管したくない
  • 将来、家族が手続きをしやすいようにしたい

結果として、

✔ 内容確認は対面で実施
✔ 原本は電子公正証書として作成

という形を選択されました。


電子公正証書が向いている人

  • 将来の管理を重視したい方
  • 相続・後見・契約関係を整理したい方
  • デジタル管理に抵抗がない方

行政書士が関与するメリット

電子公正証書であっても、

  • 契約内容の整理
  • 条文案の作成
  • 公証役場との事前調整

は非常に重要です。

行政書士が関与することで、

  • 不利な内容を防ぐ
  • 公証人とのやり取りを円滑に
  • 手続きの手戻り防止

が可能になります。


よくある質問(Q&A)

Q1:電子公正証書は誰でも使える?

➡ 原則可能ですが、
内容や公証役場の対応状況によります。


Q2:費用は安くなる?

➡ 大幅に安くなるわけではありません。
ただし、将来的な利便性は高まります。


Q3:遺言書も電子化できる?

➡ 公正証書遺言の電子原本化は可能ですが、
作成時の要件は厳格です。


まとめ|電子公正証書制度は「安全性+利便性」を高める制度

本記事のポイント

  • 電子公正証書は公正証書のデジタル化
  • 法的効力は紙と同じ
  • すべてがオンライン完結ではない
  • 内容のチェックは依然として重要

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