墓じまいするときの手続き

「墓じまい」は、少子高齢化や後継ぎ不足によって増えている手続きの一つです。
思い入れのあるお墓を整理することなので、感情面・宗教面・法的手続きの全てを丁寧に進める必要があります。

ここでは👇

🔹墓じまいとは何か
🔹実際に必要な手続きの流れ
🔹費用や注意点
をわかりやすく解説します。


目次

🪦1.墓じまいとは?

「墓じまい」とは、
今あるお墓を撤去して、更地に戻し、遺骨を他の場所に移す(改葬する)ことです。

主な理由:

  • お墓を継ぐ人がいない
  • 遠方で管理が難しい
  • 無縁墓になるのを防ぎたい
  • 永代供養墓や納骨堂にまとめたい

📋2.墓じまいの全体の流れ(7ステップ)


🧭① 親族・菩提寺(管理者)と相談

まず最初に、家族・親族としっかり話し合うことが大切です。
感情的なトラブルを防ぐため、関係者全員の同意を得ましょう。

つぎに、墓地の管理者(寺院・霊園)にも相談します。
宗派によっては、離檀料(檀家を離れる費用)が必要になる場合があります。


🪶② 遺骨の移転先(新しい納骨先)を決める

遺骨の行き先を決めてからでないと、改葬許可が下りません。

代表的な選択肢👇

種類内容
永代供養墓寺や霊園が将来にわたって供養してくれる合祀型の墓
納骨堂屋内施設に安置。アクセスが良く人気
樹木葬自然の中に埋葬するタイプ
散骨法律上は問題ないが、節度を持って行う必要あり

💡改葬先から「受入証明書」をもらっておきましょう。


🧾③ 改葬許可申請書の取得・提出

次に、今のお墓がある市区町村役場で「改葬許可申請書」をもらいます。

必要書類

書類説明
改葬許可申請書役所で取得
埋葬証明書現在の墓地の管理者が発行
受入証明書新しい納骨先が発行
印鑑申請者の印鑑(認印で可)

これらを役所に提出すると、「改葬許可証」が交付されます。
これが遺骨を移す正式な許可証です。


⚒️④ 墓石の撤去・更地化

改葬許可証が出たら、石材店に依頼して墓石を撤去します。

流れ

  1. 墓前で閉眼供養(魂抜き)を行う(僧侶に読経してもらう)
  2. 遺骨を取り出す
  3. 墓石を撤去・処分して更地に戻す
  4. 管理者に返還報告

費用の目安

  • 小規模な墓:10〜30万円程度
  • 墓地の立地や大きさによって変動します。

🕊️⑤ 遺骨の移送・納骨

改葬許可証を添えて、新しい納骨先に遺骨を納めます。

納骨の際も「開眼供養(魂入れ)」を行うことがあります。


💐⑥ 閉眼供養(魂抜き)

お墓の撤去前に、僧侶に読経をしてもらい、魂を抜く儀式です。
この儀式を行わないと、仏教的には「遺骨を動かしてはいけない」とされています。

お布施の目安:
➡️ 1〜5万円程度(地域や宗派による)


🧹⑦ 墓地の管理者へ報告・精算

撤去後、墓地の管理者に報告し、永代使用料・管理費などの清算をします。
このときに「離檀料(3〜20万円程度)」を求められることもあります。


💰3.墓じまいにかかる主な費用

項目費用目安
閉眼供養(僧侶へのお布施)1〜5万円
墓石撤去・整地10〜30万円
改葬許可手続き数千円程度(自治体による)
新しい納骨先永代供養墓で10〜50万円程度
離檀料(寺院に納める)3〜20万円

🔹総額の目安:20〜80万円前後(内容次第で上下します)


⚠️4.墓じまいの注意点

  1. 親族の同意を必ず得ること(トラブル防止)
  2. 改葬許可証がないと遺骨を移動できない
  3. 宗派のしきたりを尊重すること
  4. 石材店の選定は見積りを複数取る
  5. 思い出の品の整理を忘れずに(墓前の装飾など)

🌸5.最近増えている選択肢:「永代供養墓」・「合同墓」

  • 管理が不要で、寺や霊園が供養を続けてくれる。
  • 一度納めたら費用は追加でほとんどかからない。
  • 子や孫に負担を残さないという意味で、墓じまい後の人気の選択肢です。

✅6.まとめ

ステップ内容
① 相談親族・寺院・管理者と話し合い
② 新しい納骨先を決める永代供養墓・納骨堂など
③ 改葬許可を申請役所で「改葬許可証」を取得
④ 閉眼供養僧侶による供養
⑤ 墓石撤去・遺骨移転石材店に依頼
⑥ 新しい場所で納骨改葬許可証を提出
⑦ 精算・報告管理者への返還手続き

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東京都行政書士会墨田支部所属の富森翔太です。
相続、許認可、会社設立等の業務を行なっています。
行政や法律に関する疑問や手続きについてわかりやすく発信していきます。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次