ネットで誹謗中傷されたらどうする?削除請求・告訴状作成・警察への相談・法的対処法を行政書士が分かりやすく解説

SNSや口コミサイト、掲示板などで誹謗中傷を受けた場合の対処法を行政書士が分かりやすく解説します。削除請求、警察への相談、告訴状・告発状の作成、発信者情報開示請求、損害賠償請求まで詳しく紹介。行政書士が対応できる業務についても解説します。
ネット上の誹謗中傷は、誰でも被害者になる可能性があります。
X(旧Twitter)やInstagram、Googleマップの口コミ、YouTube、掲示板など、匿名で簡単に情報を発信できる時代だからこそ、一度投稿された内容が瞬く間に拡散し、個人や企業の信用を大きく損なうケースも少なくありません。
「悪質な口コミを書かれた」
「事実とは異なる内容を投稿された」
「匿名だから泣き寝入りするしかないのでは」
このような不安を抱えている方も多いでしょう。
しかし、ネット上の誹謗中傷は、決して放置すべき問題ではありません。
投稿内容によっては、削除請求だけでなく、投稿者の特定や損害賠償請求、さらには刑事事件として警察へ相談できるケースもあります。
また、刑事事件として対応を希望する場合には、告訴状や告発状などの法律文書を適切に作成することが重要になります。
行政書士は、裁判や代理交渉を行うことはできませんが、告訴状・告発状・内容証明郵便などの法律文書作成の専門家として、誹謗中傷被害に遭われた方の初期対応をサポートできます。
この記事では、ネット上で誹謗中傷を受けた場合の対処方法から、削除請求、警察への相談、行政書士がサポートできる内容まで、法律初心者の方にも分かりやすく解説します。
ネットでの誹謗中傷とは
誹謗中傷とは、インターネット上で他人の名誉や信用を傷つけたり、人格を否定したりする投稿を行うことをいいます。
近年では、SNSだけでなく、口コミサイトや動画投稿サイト、地域掲示板など、様々な場所で誹謗中傷が問題となっています。
例えば、次のような投稿は違法となる可能性があります。
□ 「詐欺師だから依頼しない方がいい」
□ 「横領している」
□ 「犯罪者だ」
□ 「この会社は反社会的勢力と関係がある」
□ 根拠のない悪評を何度も投稿する
□ 個人情報や住所を無断で公開する
□ 顔写真や家族の情報を掲載する
一方で、すべての批判や口コミが違法になるわけではありません。
例えば、
・料理が口に合わなかった
・接客態度が悪いと感じた
・返信が遅かった
など、実際の体験に基づく意見や感想については、違法とはならない場合もあります。
重要なのは、その投稿が事実に基づいているのか、社会的評価を低下させる内容なのか、公共性や公益目的があるのかなどを総合的に判断することです。
誹謗中傷を放置するとどうなる?
「そのうち消えるだろう」と考えて放置してしまう方もいますが、誹謗中傷は時間が経つほど被害が大きくなることがあります。
特に会社や個人事業主の場合は、信用が大きく低下し、売上にも影響する可能性があります。
例えば、次のような被害が考えられます。
□ 売上が減少した
□ 問い合わせや予約が減った
□ 採用活動に悪影響が出た
□ 取引先から信用を失った
□ 精神的苦痛を受けた
□ 家族まで誹謗中傷された
□ 検索結果に悪質な投稿が表示され続ける
インターネット上の情報は、一度拡散すると完全に削除することが難しい場合もあります。
そのため、できるだけ早い段階で適切な対応を取ることが重要です。
誹謗中傷されたらまずやるべきこと
誹謗中傷を見つけると、すぐに反論したくなるかもしれません。
しかし、感情的に対応すると状況が悪化することもあります。
まずは冷静に証拠を確保しましょう。
STEP1 投稿内容を保存する
最も重要なのは証拠の保存です。
投稿が削除されてしまうと、後から証拠を確保できない場合があります。
保存しておきたいものは次のとおりです。
□ 投稿全文
□ URL
□ 投稿日時
□ アカウント名
□ プロフィール画面
□ コメント欄
□ リポスト・引用投稿
□ スクリーンショット
□ PDF保存
スマートフォンだけでなく、パソコンでも保存しておくと安心です。
STEP2 被害状況を整理する
どのような被害を受けたのかも記録しておきます。
例えば、
・契約がキャンセルになった
・予約が減少した
・精神的苦痛を受けた
・取引先から問い合わせがあった
・会社の信用が低下した
これらは、後に損害賠償請求などを検討する際の資料になる可能性があります。
STEP3 相手と直接やり取りをしない
誹謗中傷した相手に感情的な返信をすると、さらに炎上したり、新たな投稿をされたりする可能性があります。
また、証拠を隠すために投稿を削除されるケースもあります。
まずは証拠を確保し、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。
誹謗中傷への主な対処方法
ネット上の誹謗中傷には、複数の対応方法があります。
被害の内容によって適切な方法は異なります。
| 対処方法 | 内容 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 削除請求 | サイト運営者へ削除を求める | 投稿を消す |
| 送信防止措置依頼 | プロバイダへ削除を求める | 投稿を消す |
| 発信者情報開示請求 | 投稿者を特定する | 損害賠償請求など |
| 内容証明郵便 | 相手へ正式に通知する | 任意の解決 |
| 告訴状・告発状の作成 | 刑事手続を希望する場合の法律文書 | 警察への提出 |
| 警察への相談 | 犯罪に該当する場合 | 刑事事件として対応 |
| 損害賠償請求 | 慰謝料などを請求する | 民事上の責任追及 |
それぞれの手続には特徴があり、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
削除請求の流れ
誹謗中傷の投稿を発見した場合、まず検討したいのが削除請求です。
SNSや口コミサイト、掲示板などの多くのサービスでは、利用規約やガイドラインに基づいて削除依頼を受け付けています。
ただし、「気に入らない投稿だから」という理由だけでは削除されないことも少なくありません。
例えば、次のような内容は削除対象となる可能性があります。
□ 事実ではない内容が投稿されている
□ 名誉を著しく傷つける内容である
□ 個人情報が公開されている
□ プライバシーが侵害されている
□ 脅迫や犯罪予告が書かれている
□ なりすましアカウントが作成されている
一方で、実際の体験に基づく口コミや意見については、違法と評価されない場合もあります。
そのため、削除請求を行う前に、投稿内容がどのような法的問題を含んでいるのか整理することが大切です。
発信者情報開示請求とは
投稿者を特定したい場合に利用されるのが発信者情報開示請求です。
匿名で投稿された場合でも、一定の条件を満たせば、投稿者の氏名や住所などの情報が開示される可能性があります。
開示請求が検討されるケースとしては、
・損害賠償請求をしたい
・慰謝料を請求したい
・刑事告訴を検討している
・繰り返し誹謗中傷されている
などが挙げられます。
ただし、発信者情報開示請求は法的手続を伴うことが多く、行政書士が代理人として行うことはできません。
そのため、必要に応じて弁護士へ依頼することになります。
警察へ相談できるケース
ネット上の誹謗中傷が、すべて刑事事件になるわけではありません。
しかし、犯罪に該当する可能性がある場合には、警察への相談を検討できます。
例えば、次のようなケースです。
□ 名誉毀損罪
□ 侮辱罪
□ 脅迫罪
□ 信用毀損罪
□ 偽計業務妨害罪
□ 威力業務妨害罪
□ 個人情報の悪質な公開
会社や店舗に対して「詐欺をしている」「反社会的勢力と関係がある」など、根拠のない投稿が繰り返されている場合は、刑事上の問題となる可能性があります。
行政書士が作成できる告訴状・告発状とは
ネット上の誹謗中傷について、「警察へ相談したい」「刑事事件として対応してほしい」と考える方も少なくありません。
その際に重要となるのが、告訴状や告発状です。
行政書士は、行政書士法に基づき、告訴状・告発状などの権利義務に関する書類を作成できる国家資格者です。
単に被害内容を書くだけではなく、犯罪の成立が疑われる事実を時系列で整理し、被害状況や証拠を分かりやすくまとめた法律文書として作成します。
特にネット上の誹謗中傷では、
・投稿日時
・投稿URL
・スクリーンショット
・投稿内容
・被害状況
・売上減少や精神的苦痛
など、多くの情報を整理する必要があります。
行政書士は依頼者から丁寧に事情を伺い、これらの事実を整理したうえで、警察へ提出するための告訴状・告発状を作成します。
感情的な文章ではなく、客観的な事実を時系列で整理した書面は、警察へ相談する際にも重要な資料となります。
また、証拠資料を整理して添付することで、相談内容をより分かりやすく伝えることができます。
なお、行政書士は告訴状や告発状の作成を行うことができますが、警察との代理交渉や刑事手続における代理人として活動することはできません。
そのため、提出後に代理交渉や刑事手続が必要となる場合には、弁護士へ依頼することになります。
しかし、初期段階で事実関係や証拠を整理し、告訴状を適切に作成しておくことは、その後の手続きを円滑に進めるためにも非常に重要です。
被害届・告訴状・告発状の違い
警察へ相談する際、「被害届」「告訴状」「告発状」の違いが分からないという方は少なくありません。
それぞれの違いを確認しておきましょう。
| 項目 | 被害届 | 告訴状 | 告発状 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 被害を届け出る | 犯人の処罰を求める | 犯罪を申告する |
| 提出できる人 | 被害者など | 原則として被害者など | 第三者でも可能 |
| 処罰意思 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 刑事手続への影響 | 限定的 | 大きい | ケースによる |
| 行政書士による作成 | 作成支援可能 | 作成可能 | 作成可能 |
被害届は犯罪被害があったことを警察へ知らせるための書類です。
一方、告訴状は「犯人を処罰してほしい」という意思を明確に示す法律文書であり、より詳細な事実関係や証拠の整理が求められます。
また、告発状は被害者以外の第三者が提出できる点に特徴があります。
行政書士へ依頼するメリット
STEP1 丁寧なヒアリング
投稿内容や被害状況を詳しく確認し、法的な問題点を整理します。
STEP2 証拠資料の整理
スクリーンショットやURL、投稿日時などを整理し、証拠としてまとめます。
STEP3 告訴状・告発状などの法律文書を作成
客観的な事実を時系列で整理し、警察へ提出するための書類を作成します。
STEP4 提出前の確認
添付資料や証拠を確認し、提出に向けた準備を行います。
STEP5 必要に応じて弁護士へ連携
代理交渉や発信者情報開示請求、損害賠償請求などが必要な場合には、弁護士へ円滑に引き継げるよう資料を整理します。
名誉毀損罪と侮辱罪の違い
誹謗中傷に関する相談でよく耳にするのが「名誉毀損」と「侮辱」です。
どちらも他人の名誉や人格を傷つける行為ですが、法律上は要件が異なります。
| 項目 | 名誉毀損罪 | 侮辱罪 |
|---|---|---|
| 事実の摘示 | 必要 | 不要 |
| 例 | 「横領している」「詐欺をしている」 | 「最低な人間」「バカ」 |
| 社会的評価を下げる | 必要 | 必要 |
| 刑法上の犯罪 | 該当する場合あり | 該当する場合あり |
例えば、「○○は会社のお金を横領している」という投稿は、具体的な事実を示して社会的評価を低下させる内容であるため、名誉毀損罪が問題となる可能性があります。
一方、「最低な人間だ」「無能だ」といった投稿は、具体的な事実を示していなくても、内容や状況によっては侮辱罪に該当する可能性があります。
どちらに該当するかは投稿内容だけでなく、投稿された経緯や表現方法なども含めて総合的に判断されます。
実例 店舗への虚偽の口コミが投稿されたケース
飲食店を経営するAさんは、Googleマップの口コミに「食中毒を隠して営業している」「絶対に行かない方がいい」といった事実とは異なる内容を投稿されました。
その結果、予約のキャンセルが相次ぎ、売上にも影響が出ました。
Aさんは、まず口コミのスクリーンショットやURL、投稿日時などを保存し、被害状況を整理しました。
その後、サイト運営者へ削除請求を行うとともに、刑事上の対応も検討するため、行政書士へ相談しました。
行政書士は、事情を詳しくヒアリングした上で、証拠資料を整理し、警察へ提出するための告訴状を作成しました。
その後、必要に応じて弁護士とも連携し、発信者情報開示請求や損害賠償請求など、状況に応じた法的手続へ進んだというケースです。
※上記は理解しやすいように構成した事例です。
行政書士と弁護士の違い
誹謗中傷について相談を検討している方から、「行政書士と弁護士では何が違うのですか」というご質問をいただくことがあります。
それぞれ対応できる業務は異なります。
| 相談内容 | 行政書士 | 弁護士 |
|---|---|---|
| 告訴状の作成 | 〇 | 〇 |
| 告発状の作成 | 〇 | 〇 |
| 被害届作成のサポート | 〇 | 〇 |
| 内容証明郵便の作成 | 〇 | 〇 |
| 証拠資料の整理 | 〇 | 〇 |
| 時系列の整理 | 〇 | 〇 |
| 警察への提出用資料の作成 | 〇 | 〇 |
| 代理交渉 | × | 〇 |
| 発信者情報開示請求 | × | 〇 |
| 損害賠償請求 | × | 〇 |
| 裁判代理 | × | 〇 |
行政書士は、法律文書の作成や事実関係の整理を専門としています。
一方で、相手方との交渉や裁判、発信者情報開示請求などの代理業務は弁護士が担当する分野です。
そのため、誹謗中傷への対応では、まず行政書士が初期対応をサポートし、その後必要に応じて弁護士へ引き継ぐことで、スムーズな対応につながるケースもあります。
ネットで誹謗中傷された場合の対応手順
誹謗中傷を受けた場合は、次の流れで対応することをおすすめします。
STEP1 証拠を確保する
投稿内容、URL、スクリーンショット、投稿日時などを保存します。
STEP2 被害状況を整理する
売上減少や契約解除、精神的苦痛など、具体的な被害を整理します。
STEP3 削除請求を検討する
サイト運営者やSNSへ削除を求めます。
STEP4 行政書士へ相談する
告訴状・告発状、内容証明郵便などの法律文書作成について相談します。
STEP5 必要に応じて弁護士へ相談する
発信者情報開示請求や損害賠償請求、代理交渉などが必要な場合は弁護士へ相談します。
よくある質問
Q 匿名で投稿されても相手を特定できますか?
一定の条件を満たす場合には、発信者情報開示請求などの手続によって投稿者を特定できる可能性があります。
Q 悪い口コミはすべて削除できますか?
いいえ。実際の体験に基づく正当な口コミや意見は削除されない場合があります。
Q 警察へ相談すれば必ず捜査してもらえますか?
投稿内容や証拠、犯罪の成否などを踏まえて判断されます。すべての相談が刑事事件として取り扱われるわけではありません。
Q 行政書士に依頼するメリットは何ですか?
誹謗中傷の内容や被害状況を整理し、告訴状・告発状、内容証明郵便などの法律文書を適切に作成できる点が大きなメリットです。また、警察や弁護士へ相談する際に必要となる資料を整理できるため、その後の手続きを円滑に進めやすくなります。
Q 行政書士だけで問題を解決できますか?
事案によって異なります。行政書士は法律文書の作成や証拠整理を行うことができますが、代理交渉や裁判、発信者情報開示請求などは弁護士の業務となります。
まとめ
インターネット上の誹謗中傷は、放置することで被害が拡大するおそれがあります。
しかし、投稿内容によっては、削除請求や発信者情報開示請求、損害賠償請求、さらには刑事手続など、様々な方法によって対応できる可能性があります。
重要なのは、感情的に反論するのではなく、まず証拠を確保し、事実関係を整理した上で適切な手続を検討することです。
また、刑事事件として対応を希望する場合には、告訴状や告発状の内容が非常に重要になります。事実関係を整理し、客観的な資料を添付した法律文書を準備することが、その後の手続を円滑に進めるための第一歩となります。
行政書士は、告訴状・告発状・内容証明郵便などの法律文書作成を通じて、誹謗中傷被害に遭われた方の初期対応をサポートしています。
ネット上の誹謗中傷に関するご相談は富森行政書士事務所へ
ネット上での誹謗中傷は、投稿が拡散する前の初期対応が非常に重要です。証拠の保存や事実関係の整理が不十分なまま時間が経過すると、削除請求や刑事・民事上の手続に必要な資料が失われてしまうこともあります。
富森行政書士事務所では、ネット上の誹謗中傷に関する告訴状・告発状の作成、内容証明郵便の作成、証拠資料や時系列の整理など、行政書士が対応できる業務を承っております。
「警察へ相談したいが、何を準備すればよいか分からない」「告訴状をどのように作成すればよいか分からない」「誹謗中傷への対応方法について専門家の意見を聞きたい」とお悩みの方は、お一人で抱え込まず、まずは富森行政書士事務所のお問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
ご相談内容を丁寧にお伺いし、行政書士として対応できるサポートをご案内するとともに、弁護士による対応が必要な場合には、円滑に次の手続へ進められるようお手伝いいたします。
