インドカレー屋はなぜ減っている?技能ビザ厳格化との関係を行政書士が徹底解説

「近所のインドカレー屋が閉店した」「最近インドカレー店が減っている気がする」と感じていませんか?その背景には在留資格「技能」や経営・管理ビザの制度変更・審査厳格化が関係している可能性があります。本記事では行政書士が、技能ビザとの関係や今後の影響について分かりやすく解説します。
インドカレー屋はなぜ減っている?技能ビザ厳格化との関係を行政書士が徹底解説
街を歩いていると、以前はよく見かけたインドカレー店やネパールカレー店が閉店しているのを目にする機会が増えたと感じる方もいるのではないでしょうか。
SNSでも、
「近所のインドカレー屋がなくなった」
「お気に入りのお店が閉店してしまった」
「技能ビザが厳しくなったらしい」
といった声が増えています。
実際、外国人シェフが日本で働くための在留資格である「技能」や、外国人オーナーが利用する「経営・管理」の審査や運用が見直されており、飲食店経営に影響を与えるケースが出ています。
ただし、「技能ビザが厳格化されたからインドカレー店が減っている」と単純に言い切れるものではありません。
今回は行政書士の視点から、制度の仕組みと実際の影響について分かりやすく解説します。
「インドカレー屋が減っている」と言われる理由
近年、この話題が注目されるようになった背景には、次のような要因があります。
・外国人経営者に関する制度変更
・在留資格審査の厳格化
・人件費や物価の上昇
・円安による経営コストの増加
・外国人料理人の確保が難しくなった
つまり、一つの理由だけではなく、複数の事情が重なっていると考えられます。
技能ビザとは?
まず誤解されやすいのが「技能ビザ」です。
インド料理店で働く外国人シェフの多くは、在留資格「技能」で在留しています。
この在留資格は、誰でも取得できるものではありません。
熟練した外国料理人として一定の実務経験などが求められます。
技能ビザの対象になる料理人
例えば、
・インド料理
・ネパール料理
・タイ料理
・トルコ料理
・フランス料理
など、それぞれ本国特有の料理を提供するため、高度な技能を持つ外国人料理人が対象になります。
日本人でも調理できるというだけでは足りず、「外国特有の料理を熟練した技能で調理すること」が重要なポイントです。
技能ビザが厳格化されたの?
ここでよく誤解される点があります。
最近話題になっているのは、「技能ビザそのものが大幅に改正された」というよりも、入管審査が従来以上に厳格になっていることや、外国人経営者向けの「経営・管理」ビザのガイドライン改正などが飲食店業界に影響を与えているという点です。
そのため、
「技能ビザだけが原因」
という説明は正確ではありません。
経営・管理ビザの見直しも大きな影響
特に話題になっているのが、外国人オーナーが利用する「経営・管理」ビザです。
令和8年のガイドライン見直しでは、
・事業の実態確認
・経営体制
・常勤職員に関する要件
などがこれまで以上に重視されるようになりました。
一部報道では、小規模なインド・ネパール料理店への影響が懸念されています。
技能ビザと経営・管理ビザの違い
| 項目 | 技能ビザ | 経営・管理ビザ |
|---|---|---|
| 対象 | 料理人 | 経営者・会社代表 |
| 主な仕事内容 | 調理 | 会社経営・店舗運営 |
| 目的 | 外国料理の提供 | 事業の経営 |
| 代表例 | インド料理シェフ | レストランオーナー |
この2つは全く異なる在留資格です。
ニュースでは混同されることがありますが、制度としては別物です。
技能ビザの審査では何が確認される?
外国人料理人が技能ビザを取得・更新する際には、単に「料理人だから認められる」というわけではありません。
入管では、主に次のような事項が確認されます。
チェックリスト
□ 十分な実務経験があるか
□ 提供する料理が外国特有の料理であるか
□ 飲食店が実際に営業しているか
□ 雇用条件が適正か
□ 給与が日本人と同等以上か
□ 経営状況に問題がないか
□ 虚偽申請ではないか
特に近年は、実態のない会社や形式だけの雇用を防ぐため、事業の実態確認が以前より重視される傾向があります。
技能ビザだけが原因ではない
「インドカレー店が減っている」と言われる背景には、ビザ以外にもさまざまな事情があります。
例えば、
・原材料費の高騰
・人件費の上昇
・円安による輸入コスト増加
・新型コロナ後の経営環境の変化
・後継者不足
・競争激化
などです。
つまり、
「技能ビザが厳しくなったから閉店した」
というより、
「複数の要因が重なった結果」
と考える方が実態に近いでしょう。
外国人オーナーが日本で飲食店を開業する流れ
外国人が日本で本格的に飲食店を経営する場合、一般的には次のような流れになります。
STEP1 会社を設立する
株式会社や合同会社を設立します。
STEP2 経営・管理ビザを取得する
会社を経営するための在留資格を取得します。
STEP3 店舗を契約する
営業可能な物件を確保します。
STEP4 飲食店営業許可を取得する
保健所へ申請を行い、営業許可を取得します。
STEP5 必要に応じて深夜酒類提供届出・風俗営業許可を取得する
バー営業など営業形態によって追加の手続きが必要になります。
STEP6 外国人料理人を雇用する
必要に応じて技能ビザなどの在留資格手続きを行います。
行政書士がサポートできること
外国人が日本で飲食店を開業する場合、多くの行政手続きが必要になります。
行政書士は、次のようなサポートを行っています。
・会社設立後の各種許認可手続き
・経営・管理ビザ申請
・技能ビザ申請
・在留資格更新
・飲食店営業許可申請
・深夜酒類提供飲食店営業開始届出
・風俗営業許可申請
それぞれの手続きには必要書類や要件が異なるため、事前に全体のスケジュールを確認しながら進めることが重要です。
よくある質問
Q. インド料理店の料理人は全員技能ビザですか?
いいえ。
日本人や永住者、日本人の配偶者等など、技能ビザ以外の在留資格で働いている方もいます。
Q. ネパール料理店でも技能ビザは取得できますか?
一定の要件を満たし、外国特有の料理を提供する熟練した料理人であれば、対象となる可能性があります。最終的には個別の事情に応じて判断されます。
Q. 飲食店を開けば外国人は誰でも働けますか?
いいえ。
仕事内容に応じた適切な在留資格が必要です。
仕事内容と在留資格が一致していなければ認められません。
Q. 技能ビザは更新できますか?
更新自体は可能です。
ただし、引き続き要件を満たしていることが前提となり、事業の実態や雇用状況なども審査対象となります。
まとめ
「インドカレー屋が減っている」と言われる背景には、技能ビザや経営・管理ビザの運用の変化だけでなく、物価高や人件費の上昇、経営環境の変化など、さまざまな要因が重なっています。
そのため、「技能ビザの厳格化だけが原因」と断定することはできません。
一方で、外国人料理人や外国人オーナーに関する在留資格審査では、これまで以上に事業の実態や雇用状況などが丁寧に確認される傾向があり、正確な制度理解と適切な申請準備が重要になっています。
外国人が日本で飲食店を開業する場合は、在留資格だけでなく、会社設立、飲食店営業許可、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、風俗営業許可など、複数の行政手続きが必要になることがあります。
「どの在留資格を選べばよいか分からない」「飲食店開業とビザ申請をまとめて相談したい」という方は、早い段階で行政書士へ相談することをおすすめします。
外国人の飲食店開業や在留資格申請のご相談は、富森行政書士事務所へお気軽にお問い合わせください。
経営・管理ビザ、技能ビザ、飲食店営業許可、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、風俗営業許可まで、一貫してサポートいたします。
