「不法移民・難民問題とは?」クルド人問題、仮放免・オーバーステイついても解説

不法移民・難民問題とは何か
――クルド人問題、仮放免、オーバーステイを行政書士がわかりやすく解説
近年、日本各地で
- 「不法移民が増えているのでは?」
- 「クルド人問題とは何なのか?」
- 「仮放免で生活している人とは?」
- 「オーバーステイはなぜ起きるのか?」
といった疑問や不安の声を耳にする機会が増えています。
これらは感情的に語られやすいテーマですが、正確な法律知識がなければ実態を誤解してしまう危険性があります。
本記事では、
入管法(出入国管理及び難民認定法)を軸に、制度・実態・問題点を整理し、
行政書士の立場から中立的・法的に解説します。
1.「不法移民」とは法律用語ではない
まず重要な前提として、
「不法移民」という言葉は法律用語ではありません。
法律上は、次のように整理されます。
| 一般的な言い方 | 法律上の表現 |
|---|---|
| 不法移民 | 不法滞在者 |
| オーバーステイ | 在留期間超過 |
| 密入国 | 不法入国 |
感情的な言葉ではなく、法律上の区分で考えることが重要です。
2.オーバーステイ(在留期間超過)とは?
(1)定義
**オーバーステイ(在留期間超過)**とは、
正規に入国したが、在留期限を過ぎても日本に滞在している状態
を指します。
(2)実例
- 短期滞在(90日)で入国
- 技能実習・留学で来日
- 在留期限後も帰国せず滞在
この場合、不法滞在となり、
原則として退去強制(強制送還)対象です。
3.難民制度の基本構造
(1)難民とは?
日本では、難民条約に基づき、次のような人を「難民」と認定します。
人種、宗教、国籍、政治的意見などを理由に迫害を受けるおそれがある者
単に
- 生活が苦しい
- 仕事がない
- 治安が悪い
という理由だけでは、原則として難民には該当しません。
(2)難民申請の流れ(図解)
来日
↓
難民認定申請
↓
審査(長期間)
↓
① 認定 → 在留資格付与
② 不認定 → 退去強制対象
日本は難民認定率が低いことで知られていますが、
その是非については賛否が分かれており、評価は一概にできず不明な点もあります。
4.クルド人問題とは何か?
(1)クルド人とは?
クルド人は、
- トルコ
- シリア
- イラン
- イラク
などにまたがって居住する国を持たない民族です。
日本で話題になる「クルド人問題」は、
主にトルコ国籍のクルド系住民に関するものです。
(2)なぜ日本に来るのか?
主な理由として挙げられるのは、
- トルコ国内での民族的対立
- 政治的弾圧の主張
- 難民申請を目的とした来日
ただし、
個々の申請が本当に迫害に該当するかは、行政判断であり、外部からは不明です。
5.難民不認定後に残る人たち
(1)難民申請が不認定になったら?
原則として、
- 在留資格は付与されない
- 退去強制手続きへ進む
ことになります。
しかし、ここで登場するのが仮放免制度です。
6.仮放免とは何か?
(1)仮放免の定義
仮放免とは、
退去強制手続き中の外国人を、一時的に収容施設から外に出す措置
です。
(2)仮放免の特徴(重要)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 在留資格 | なし |
| 就労 | 原則不可 |
| 健康保険 | 原則加入不可 |
| 行動範囲 | 制限あり |
| 更新 | 定期的に必要 |
合法的な在留資格ではありません。
(3)実例:仮放免中の生活
- 働けない
- 医療費は全額自己負担
- 移動にも制限
- 長期間不安定な生活
この状態が数年単位で続くケースもあることが、社会問題化しています。
7.なぜ「仮放免」が増えるのか?
理由として考えられる点は、
- 本国送還が外交上困難
- 身体的・人道的配慮
- 本人が帰国を拒否
などがあります。
ただし、
どの理由がどの程度影響しているかの統計的評価は不明です。
8.制度上の全体像(整理図)
入国
↓
在留資格あり ──→ 合法滞在
↓
期限切れ
↓
オーバーステイ(不法滞在)
↓
難民申請
↓
不認定
↓
退去強制手続
↓
仮放免(例外的措置)
9.問題点はどこにあるのか?
(1)受け入れ側(日本社会)の問題
- 地域住民との摩擦
- 治安不安への懸念
- 制度への不信感
(2)外国人側の問題
- 長期の不安定生活
- 就労不可による困窮
- 子どもの教育問題
(3)制度そのものの課題
- 難民認定基準の在り方
- 仮放免の長期化
- 明確な出口がない点
これらは現在も議論が続いており、明確な解決策は不明です。
10.専門用語の補足説明
出入国管理及び難民認定法(入管法)
外国人の入国・在留・退去を定める基本法。
オーバーステイ
在留期限を超えて滞在すること(在留期間超過)。
仮放免
退去強制手続中の一時的な身体拘束解除措置。
難民認定
条約・国内法に基づく行政判断。
11.まとめ|感情ではなく「制度」を理解することが重要
不法移民・難民・クルド人問題は、
- 単純な善悪では語れない
- 法律・行政・人道が複雑に絡む
- 制度の限界が露呈している分野
です。
仮放免やオーバーステイは「抜け道」ではなく、制度上生まれた結果であり、
感情的な議論だけでは解決に近づきません。
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