副業・起業で失敗しないために知っておくべき輸入品販売の手続きと許可

輸入販売を始めたい方必見。副業や起業で海外製品を販売する際に必要となる手続きや許可について、行政書士が分かりやすく解説します。食品・化粧品・家電・雑貨など商品ごとの注意点や、許可が必要なケース、チェックリストまで網羅した初心者向けガイドです。

海外の魅力的な商品を日本で販売する「輸入販売」は、少ない資金から始められる副業や起業として人気があります。

Amazon、メルカリ、楽天市場、自社ECサイトなど販路も豊富で、個人でも海外から商品を仕入れて販売できる時代になりました。

しかし、「海外から仕入れて販売するだけだから特別な手続きは不要」と考えていると、思わぬ法令違反につながることがあります。

輸入する商品によっては、食品衛生法、電気用品安全法(PSE)、消費生活用製品安全法(PSC)、薬機法などの規制を受ける場合があり、必要な届出や許可を行わず販売すると、販売停止や回収などのリスクが生じることがあります。

この記事では、輸入販売を始める前に知っておきたい手続きや許可について、法律初心者の方にも分かりやすく解説します。

目次

輸入販売とは

輸入販売とは、海外から商品を日本へ輸入し、日本国内で販売する事業をいいます。

販売方法はさまざまで、

・Amazon

・メルカリ

・Yahoo!ショッピング

・楽天市場

・BASE

・Shopify

・実店舗

などを利用して販売できます。

輸入販売は誰でも始められますが、「販売する商品」によって適用される法律が異なります。

そのため、まずは取り扱う商品の種類を確認することが重要です。

輸入販売で確認すべき主な法律

輸入販売では、商品ごとに異なる法律が適用されます。

代表的なものは次のとおりです。

商品主な関係法令
食品・飲料食品衛生法
化粧品薬機法
医薬品薬機法
電気製品電気用品安全法(PSE)
乳幼児用品の一部消費生活用製品安全法(PSC)
無線機器・Bluetooth機器電波法
中古品古物営業法
ブランド品商標法・不正競争防止法など

「輸入販売」と一言でいっても、商品によって必要な手続きは大きく異なります。

輸入販売に許可が必要になるケース

すべての商品で営業許可が必要というわけではありません。

しかし、次のような商品は事前に法令を確認する必要があります。

食品を輸入する場合

食品を販売目的で輸入する場合は、食品衛生法に基づき、輸入の都度、検疫所への「食品等輸入届出」が必要です。届出を行わない食品は販売できません。

対象となる例

・お菓子

・コーヒー

・紅茶

・調味料

・健康食品

・乳幼児用のおもちゃの一部

化粧品を販売する場合

海外製の化粧品を販売目的で輸入する場合は、薬機法の規制対象となることがあります。

個人使用目的の輸入と、販売目的の輸入では必要な手続きが大きく異なります。販売目的の場合は、薬機法に基づく許可や承認等が必要となるケースがあります。

電気製品を販売する場合

スマートフォン充電器

電源タップ

ACアダプター

電源コード

などの電気用品は、電気用品安全法の対象となる場合があります。

PSEマークの対象商品を販売する際は、事前確認が欠かせません。

子ども向け製品

ベビーベッド

乳幼児向け用品

ヘルメットなど

商品によってはPSCマーク制度の対象となる場合があります。

Bluetooth機器・Wi-Fi機器

Bluetoothイヤホン

無線マウス

Wi-Fiルーター

スマートウォッチ

などは、電波法に基づく技術基準適合証明(いわゆる技適)との関係を確認する必要があります。

許可が不要な商品でも注意が必要

雑貨や衣類など、特別な営業許可が不要な商品であっても安心とは限りません。

例えば、

・商品の表示

・知的財産権(商標・意匠など)

・安全性

・品質表示

などについては別の法令が適用される場合があります。

また、偽ブランド品や権利侵害品を輸入・販売すると、商標権侵害などの問題が生じる可能性があります。

輸入販売を始める前のチェックリスト

□ 販売予定の商品を確認した

□ 規制対象商品ではないか調べた

□ 必要な届出・許可を確認した

□ 販売方法を決めた

□ 商品表示を確認した

□ 輸入後の保管場所を確保した

□ 必要に応じて専門家へ相談した

事前確認をしっかり行うことで、販売開始後のトラブルを防ぐことにつながります。

実例で分かる輸入販売

実例1 海外のお菓子を販売

海外で人気のお菓子を輸入してネット販売。

→食品衛生法に基づく輸入手続きが必要です。

実例2 海外コスメを販売

韓国コスメを日本で販売。

→薬機法の規制対象となる場合があります。

実例3 海外家電を販売

海外製充電器を輸入して販売。

→PSE制度の対象となる可能性があります。

実例4 海外雑貨を販売

インテリア雑貨や文房具を輸入販売。

→商品によっては特別な営業許可が不要な場合がありますが、表示や知的財産権などの確認は必要です。

輸入販売で行政書士へ相談するメリット

輸入販売では、取り扱う商品によって適用される法令が異なります。

「許可が必要か分からない」「どの制度を確認すればよいか判断できない」という場合は、事前に専門家へ相談することで、不要なトラブルを防ぎやすくなります。

特に、複数の商品を取り扱う予定がある場合や、事業として継続的に輸入販売を行う場合は、販売開始前に必要な手続きを整理しておくことが重要です。

食品を輸入して販売する場合の手続き

食品は、輸入販売の中でも特に規制が厳しい商品の一つです。

海外で人気のお菓子やコーヒー、サプリメント、調味料などを販売する場合であっても、日本国内で販売するためには食品衛生法に基づく手続きが必要になる場合があります。

販売目的で食品を輸入する場合は、原則として輸入の都度、検疫所へ「食品等輸入届出」を提出し、審査や必要に応じた検査を受けなければなりません。

例えば、次のような商品が対象となります。

・お菓子

・チョコレート

・コーヒー

・紅茶

・はちみつ

・調味料

・サプリメント

・健康食品

届出を行わずに販売することはできません。

また、食品表示についても、日本の食品表示法などに適合する必要があります。

化粧品を輸入販売する場合の注意点

韓国コスメや海外ブランドのスキンケア用品などは人気がありますが、販売目的で輸入する場合は薬機法の確認が必要です。

「海外で普通に売られているから日本でも販売できる」とは限りません。

化粧品として販売するには、製品の種類や販売方法によって必要となる許可や届出が異なります。

また、広告にも注意が必要です。

例えば、

・絶対にシワが消える

・必ず美白になる

・ニキビが完全に治る

などの断定的な表現は、薬機法上問題となる可能性があります。

商品の輸入だけでなく、販売ページの記載内容にも十分注意しましょう。

電気用品を販売する場合

海外製の家電製品は人気がありますが、日本では電気用品安全法の対象となる製品があります。

対象商品には、PSEマーク制度が関係します。

代表例

・充電器

・ACアダプター

・電源コード

・延長コード

・電気ストーブ

・ヘアアイロン

・ドライヤー

・電気ケトル

対象商品を販売する場合は、PSE制度の内容を十分理解したうえで販売することが重要です。

海外サイトで販売されている商品だからといって、日本で自由に販売できるわけではありません。

PSCマークが必要となる商品

消費生活用製品安全法では、一部の商品についてPSCマーク制度が設けられています。

代表例

・乳幼児用ベッド

・ライター

・登山用品の一部

・携帯用レーザー応用装置の一部

対象となる商品は法令で定められているため、販売前に確認しましょう。

Bluetooth製品やWi-Fi機器の注意点

近年は、

・Bluetoothイヤホン

・スマートウォッチ

・ワイヤレスマウス

・無線キーボード

・Wi-Fiルーター

などの輸入販売も増えています。

これらは電波法との関係がある場合があります。

日本国内で使用する無線設備には、技術基準への適合が求められるため、販売前に対象商品かどうかを確認することが重要です。

輸入販売を始めるまでのSTEP

STEP1 販売する商品を決める

まずは何を販売するか決めます。

食品なのか、雑貨なのか、家電なのかによって確認すべき法律が変わります。

STEP2 関係法令を調べる

商品に応じて、

・食品衛生法

・薬機法

・電気用品安全法

・消費生活用製品安全法

・電波法

などの対象になるか確認します。

STEP3 必要な許可・届出を確認する

商品によっては、

・輸入届出

・営業許可

・販売業許可

などが必要になる場合があります。

STEP4 商品表示を確認する

日本で販売する場合には、日本語による表示が必要となる商品があります。

食品表示や品質表示なども確認しましょう。

STEP5 販売を開始する

必要な手続きが完了したら販売を開始します。

販売後も法改正や制度変更に注意し、適切な管理を続けることが重要です。

輸入販売でよくある失敗

「海外で売っているから日本でも売れる」

海外で合法的に販売されている商品でも、日本では規制対象となることがあります。

「メルカリだから大丈夫」

販売場所は関係ありません。

Amazonでもメルカリでも、自社ECサイトでも適用される法律は同じです。

「個人だから許可はいらない」

副業や個人事業主であっても、販売する商品によっては届出や許可が必要です。

「輸入代行業者が全部やってくれる」

輸入代行業者を利用したとしても、販売者として確認すべき義務がなくなるわけではありません。

チェックリスト 販売前に確認したいポイント

□ 商品に規制はないか

□ 食品・化粧品ではないか

□ PSE対象商品ではないか

□ PSC対象商品ではないか

□ 電波法の対象ではないか

□ 日本語表示は適切か

□ 偽ブランド品ではないか

□ 知的財産権を侵害していないか

□ 必要な届出は済んでいるか

このチェックリストを活用することで、販売開始後のトラブルを防ぎやすくなります。

輸入販売を成功させるポイント

輸入販売では、価格や人気だけで商品を選ぶのではなく、日本国内で適法に販売できるかを最初に確認することが重要です。

また、販売開始後も法令改正や制度変更が行われることがあります。

特に食品や化粧品、電気用品は制度変更の影響を受けることがあるため、最新情報を確認しながら事業を進めることが大切です。

さらに、継続して事業を行う場合は、販売記録や仕入先情報、商品の仕様書などを適切に保管しておくことで、万が一の問い合わせやトラブルにも対応しやすくなります。

中古品を輸入して販売する場合は古物商許可が必要?

「海外から中古品を輸入して販売する場合も古物商許可が必要なの?」という質問をいただくことがあります。

古物商許可が必要かどうかは、「どこから輸入したか」ではなく、「どのような商品をどのような目的で取り扱うか」によって判断されます。

例えば、海外で中古ブランドバッグや中古カメラ、中古時計などを仕入れ、日本国内で継続的に販売する場合は、古物営業法の対象となる可能性があります。

一方で、自分で使用する目的で海外から商品を購入する場合は、通常、古物営業には該当しません。

輸入販売と古物営業法は別の制度ですが、中古品を取り扱う場合には両方を意識する必要があります。

並行輸入品は販売できる?

海外の正規品を輸入して販売する「並行輸入」は、多くの方が興味を持つ販売方法です。

並行輸入品とは、日本の正規代理店を通さずに海外から正規品を輸入して販売する商品のことをいいます。

適法な並行輸入として認められるためには、知的財産権などの観点から個別の判断が必要となる場合があります。

そのため、ブランド品などを取り扱う場合は、仕入先や商品の真正性を十分に確認することが重要です。

偽物・模倣品には要注意

輸入販売でもっとも注意したいのが、偽ブランド品や模倣品です。

例えば、

・ブランドバッグ

・財布

・腕時計

・スニーカー

・アクセサリー

などは、海外のインターネットショップや海外マーケットプレイスで販売されていることがあります。

しかし、これらの中には商標権や意匠権などを侵害する商品が含まれている場合があります。

知らずに輸入したとしても、税関で差し止められたり、権利者とのトラブルになったりする可能性があります。

「価格が極端に安い」「販売元が不明」「正規品である証明がない」といった商品には特に注意しましょう。

税関で止められることがあるケース

海外から商品を輸入する際には、日本の税関で審査が行われます。

次のような商品は、税関で確認や差止めの対象となる場合があります。

・知的財産権を侵害する商品

・輸入が禁止されている商品

・必要な届出が行われていない商品

・法令に適合しない商品

税関を通過したからといって、すべての商品が日本国内で自由に販売できるわけではありません。

販売前にも、適用される法令を確認することが大切です。

個人輸入と販売目的の輸入の違い

個人輸入と販売目的の輸入では、取り扱いが大きく異なります。

項目個人使用販売目的
自分で使用するための輸入
販売するための輸入
各種法令の確認必要な場合ありより重要
営業としての継続性なしあり

「個人輸入だから自由に販売できる」と誤解されることがありますが、自分で使用するために輸入した商品を事業として継続的に販売する場合には、別の法令が関係することがあります。

輸入販売で成功するためのポイント

輸入販売で長く事業を続けるためには、価格だけで商品を選ぶのではなく、法令を理解したうえで商品を選定することが重要です。

特に次のポイントを意識すると、トラブルの予防につながります。

・販売前に法令を確認する

・仕入先の信頼性を確認する

・商品の安全性を確認する

・必要な届出や許可を行う

・商品説明を正確に記載する

・領収書や仕入れ記録を保管する

・法改正の情報を定期的に確認する

よくある質問(Q&A)

Q1 海外通販サイトから仕入れて販売しても問題ありませんか?

販売する商品によって適用される法令が異なります。食品や化粧品、電気用品などは特に事前確認が重要です。

Q2 メルカリで輸入品を販売できますか?

販売自体は可能ですが、販売する商品が日本の法令に適合していることが前提となります。

Q3 Amazonで販売する場合も同じですか?

はい。販売するプラットフォームにかかわらず、適用される法令は基本的に同じです。

Q4 中古品を輸入する場合は古物商許可が必要ですか?

営業として中古品を継続的に取り扱う場合は、古物営業法の対象となる可能性があります。

Q5 副業でも許可は必要ですか?

副業であっても、販売する商品によっては許可や届出が必要になる場合があります。

Q6 海外のサプリメントは自由に販売できますか?

サプリメントの種類や成分によっては、食品衛生法や薬機法などの確認が必要になる場合があります。

Q7 海外ブランド品を販売する際の注意点はありますか?

真正品であることを確認するとともに、商標権などの知的財産権にも注意が必要です。

Q8 雑貨だけなら何も確認しなくてもよいですか?

営業許可が不要な場合でも、品質表示や知的財産権、安全性などについて確認することが重要です。

まとめ

輸入販売は、副業や起業として始めやすいビジネスですが、取り扱う商品によってはさまざまな法令が関係します。

食品であれば食品衛生法、化粧品であれば薬機法、電気用品であれば電気用品安全法、Bluetooth機器などであれば電波法、中古品であれば古物営業法など、それぞれ確認すべき制度が異なります。

また、ブランド品やキャラクター商品などは知的財産権にも注意が必要です。

「海外で販売されているから日本でも自由に販売できる」というわけではありません。

販売を始める前に、取り扱う商品の法令を確認し、必要な手続きや届出を済ませることが、安全で継続的な事業運営につながります。

これから輸入販売を始める方は、本記事を参考にしながら、適法な形でビジネスをスタートさせましょう。

また、輸入販売を事業として行う場合には、「古物商許可」「会社設立」「契約書作成」「各種営業許可」など、関連する手続きについても確認しておくと安心です。あわせて関連記事をご覧いただくことで、開業準備をスムーズに進めることができます。

輸入販売に関するご相談は富森行政書士事務所へ

輸入販売では、商品ごとに適用される法律や必要な手続きが異なります。そのため、「この商品は販売できるのか」「届出や許可は必要なのか」「中古品を輸入する場合は古物商許可が必要なのか」など、判断に迷う場面も少なくありません。

富森行政書士事務所では、輸入販売に関する法令の確認から、古物商許可をはじめとする各種許認可のご相談まで幅広くサポートしております。

副業として輸入販売を始めたい方、これから本格的に事業として展開したい方、必要な手続きに不安がある方は、お気軽に富森行政書士事務所のお問い合わせフォームよりご相談ください。

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