■ 永住許可申請とは
日本に中長期的に在留している外国人が、無期限で日本に在留できる「永住者」への許可を求める手続きです。
一般的な在留資格は在留期限があり更新が必要ですが、永住が許可されると在留期間の更新が不要になります。
■ 永住許可のメリット
▶ 主なメリット
- 在留期限がなくなる(無期限)
- 就労制限がなくなる(ほぼ全分野で働ける)
- 住宅ローンなどの審査が有利な場合が多い
- 転職しても在留資格が変わらない
- 家族の在留が安定しやすい
※帰化とは異なり国籍は日本になりません。
■ 永住許可の主な要件(法務省基準)
◎ 原則として
- 素行善良
犯罪歴・交通違反・税金納付状況など - 独立生計
安定した収入・生活能力 - 日本の利益に合致すること
■ 年数要件(実務上重要)
原則、10年以上の在留歴+就労資格は5年以上就労が必要
ただし例外があります
例外
- 日本人配偶者 → 原則3年以上の婚姻+1年以上の在留
- 永住者の配偶者 → 同上
- 定住者 → 個別判断
- 高度人材ポイント80点超 → 1年で可能
- ポイント70点超 → 3年
※高度専門職制度は非常にポイントが高い業務領域です。
■ 提出書類(一例)
- 永住許可申請書
- 写真
- 在留カード
- パスポート
- 源泉徴収票・課税証明書
- 住民票
- 在職証明
- 貯金残高証明等
- 納税証明(国税・地方税)
- 社会保険加入状況資料
不許可リスクが高い申請なので書類が多めです。
■ 審査期間
通常6か月〜1年程度
混雑や年度によって長期化します。
■ 不許可になりやすいポイント(実務で非常に重要)
- 収入が低い(目安:250万円~300万円未満は要注意)
- 税金未納・滞納
- 国民年金・社会保険未加入
- 自己名義の銀行残高が極端に少ない
- 交通違反が多い
- 離婚直後など活動の安定性が低い場合
※特に「年金加入・納付状況」は最近の厳格審査ポイントです。
■ 永住と帰化の違い(簡潔比較)
| 永住 | 帰化 | |
|---|---|---|
| 国籍 | 外国籍のまま | 日本国籍に変更 |
| 選挙権 | × | 〇 |
| 手続き難易度 | 高い | さらに高い |
| 更新 | 不要 | 不要 |
| 就労制限 | なし | なし |
■ 行政書士ができること
- 永住要件の適合性判断
- 書類収集サポート
- 立証資料の整理
- 家計・納税状況の整理指導
- 不許可リスクの事前チェック
- 入管への取次(取次ありの場合)
顧問契約につながる重要案件です。
■ まとめ
永住許可申請とは、外国人が日本に無期限で在留し、安定して生活するための高難度の申請であり、収入・納税・素行など厳しく審査される手続きです。


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