旅館業許可

HOTEL BUSINESS LICENSE

旅館業許可申請

ホテル、旅館、簡易宿所、ゲストハウス、ホステル、民泊施設などを営業する場合は、営業形態や宿泊日数に応じて旅館業許可が必要となることがあります。

富森行政書士事務所では、物件選びの段階から、用途地域・建築関係法令・消防設備・保健所基準の確認、図面作成、周辺住民への事前周知、営業許可申請までサポートします。

COMMON CONCERNS

旅館業許可について、このようなお悩みはありませんか

旅館業許可では、保健所への申請だけでなく、建築基準法、消防法、都市計画法、自治体の条例など、複数の基準を確認する必要があります。

01
この物件で旅館業ができるか分からない

旅館業に使用できる物件かどうかは、用途地域、建物用途、管理規約、賃貸借契約、周辺施設などを確認する必要があります。

02
民泊と簡易宿所の違いが分からない

住宅宿泊事業と旅館業では、年間営業日数、施設基準、管理方法、手続きの種類などが異なります。

03
保健所に何を相談すればよいか分からない

事前相談では、建物図面、客室面積、玄関帳場、宿泊者確認方法、換気、採光、入浴設備などを確認します。

04
消防設備の費用がどれくらいか不安

建物の規模や構造、宿泊施設として使用する範囲によって、火災報知設備、誘導灯、消火器などの設置内容が異なります。

05
図面や面積計算を作成できない

旅館業許可申請では、配置図、各階平面図、客室面積、設備の位置などが分かる図面を求められます。

06
近隣住民への説明方法が分からない

自治体によっては、許可申請前に標識の設置や近隣住民への説明、説明会などが必要になります。

物件を契約する前の確認が重要です

旅館業許可は、どのような建物でも取得できるわけではありません。

物件を契約した後に、用途地域、建物用途、消防設備、条例上の基準などを満たせないことが判明すると、改修費用が高額になったり、営業そのものを断念したりする可能性があります。

旅館業を始める場合は、賃貸借契約や物件購入の前に、営業可能性を確認することをおすすめします。

ABOUT THE LICENSE

旅館業許可とは

旅館業許可とは、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業を行うために、旅館業法に基づいて受ける許可です。

旅館業に該当する基本的な考え方

旅館業法では、旅館業を「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」としています。

ここでいう宿泊とは、寝具を使用して施設を利用することをいいます。

ホテルや旅館という名称を使用していなくても、実質的に料金を受け取って利用者を宿泊させている場合は、旅館業に該当する可能性があります。

  • 宿泊者から料金を受け取っている
  • 寝具を使用して施設を利用させている
  • 不特定または多数の利用者を受け入れている
  • 反復継続して宿泊サービスを提供している
  • 利用者が生活の本拠として長期間居住する契約ではない
01
宿泊料を受け取る

室料という名称だけでなく、寝具使用料、清掃料、光熱水費など、実質的に宿泊の対価となる料金も宿泊料に含まれる可能性があります。

02
寝具を使用させる

ベッドや布団などの寝具を使用して、利用者を施設に宿泊させる営業が対象になります。

03
営業として継続する

利益を得る目的で反復継続して宿泊者を受け入れる場合は、旅館業に該当する可能性が高くなります。

名目を変えても宿泊料と判断されることがあります

宿泊料金を無料としていても、清掃料、施設利用料、会費、研修費などの名称で実質的な宿泊の対価を受け取っている場合は、旅館業法上の宿泊料に該当する可能性があります。

料金の名称ではなく、宿泊サービスの対価として金銭を受け取っているかどうかで判断されます。

LICENSE REQUIRED

旅館業許可が必要になりやすい施設

施設の名称や掲載する予約サイトにかかわらず、宿泊料を受けて利用者を宿泊させる場合は、旅館業許可が必要となる可能性があります。

01
ホテル

客室を設け、旅行者や出張者などを宿泊させる一般的なホテル営業です。

02
旅館

和室を中心とした宿泊施設など、宿泊料を受けて利用者を宿泊させる営業です。

03
ゲストハウス

複数の宿泊者が客室や寝室、共用設備を利用する営業で、簡易宿所営業に該当することがあります。

04
ホステル

ドミトリー形式など、宿泊場所を複数の利用者で共用する施設は、簡易宿所営業として許可を受けることがあります。

05
一棟貸し宿泊施設

戸建住宅や建物一棟を旅行者へ貸し切りで提供する場合も、宿泊サービスであれば旅館業許可が必要となる可能性があります。

06
マンションの一室

マンションや共同住宅の一室を短期間の宿泊施設として提供する場合は、建物用途や管理規約も含めて確認します。

07
カプセルホテル

個別の就寝スペースを多数設ける施設は、施設構造や利用方法に応じた旅館業許可が必要です。

08
宿泊可能な研修施設

セミナーハウスや研修所であっても、研修費などに宿泊料相当額が含まれる場合は旅館業に該当する可能性があります。

09
Airbnb等の掲載施設

宿泊予約サイトを利用して旅行者を宿泊させる場合も、旅館業許可または住宅宿泊事業の届出などが必要です。

無許可で宿泊営業を始めることはできません

旅館業許可が必要な営業形態であるにもかかわらず、許可を受けずに宿泊者を受け入れると、無許可営業として行政指導や処分、罰則の対象となる可能性があります。

宿泊予約サイトへ物件を掲載する前に、必要な許可や届出を確認することが重要です。

BUSINESS CATEGORIES

旅館業には3つの営業区分があります

旅館業法では、施設の構造や利用方法に応じて、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業の3種類に区分されています。

01
旅館・ホテル営業

施設を設け、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業のうち、簡易宿所営業と下宿営業以外のものです。

主な施設例

ホテル、旅館、ビジネスホテル、リゾートホテル、一棟貸し宿泊施設など

02
簡易宿所営業

宿泊する場所を多数人で共用する構造や設備を主とする施設で、宿泊料を受けて人を宿泊させる営業です。

主な施設例

ゲストハウス、ホステル、ドミトリー、山小屋、カプセルホテルなど

03
下宿営業

1か月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業です。

主な施設例

月単位で食事や寝具などを提供しながら宿泊させる従来型の下宿など

営業区分 主な特徴 施設の例
旅館・ホテル営業 個室を中心として宿泊者を受け入れる一般的な宿泊営業 ホテル、旅館、ビジネスホテル、一棟貸し施設
簡易宿所営業 宿泊場所を多数人で共用する構造や設備を主とする営業 ゲストハウス、ホステル、ドミトリー、カプセルホテル
下宿営業 1か月以上の期間を単位として宿泊させる営業 長期滞在型の下宿
一棟貸しが必ず簡易宿所になるわけではありません

戸建住宅やマンションの一室を一組の宿泊者へ貸し切る営業は、施設名称に「民泊」や「ゲストハウス」と付けていても、旅館・ホテル営業として扱われる場合があります。

旅館・ホテル営業と簡易宿所営業のどちらに該当するかは、施設の構造、客室の利用方法、宿泊者による共用状況などを踏まえて保健所が判断します。

HOTEL OR RENTAL

旅館業と賃貸住宅の違い

短期間の宿泊サービスと、利用者が生活の本拠を置く賃貸借契約では、法的な取り扱いが異なります。

比較項目 旅館業 一般的な賃貸住宅
利用目的 旅行や出張などの一時的な宿泊 生活の本拠としての居住
契約期間 1泊や数日など短期間が中心 月単位や年単位が中心
利用者の入れ替わり 不特定の宿泊者が頻繁に入れ替わる 特定の入居者が継続して居住する
管理方法 営業者が施設を管理する 入居者が居室を占有して生活する
主な手続き 旅館業許可など 賃貸借契約
マンスリーマンションでも個別判断が必要です

1か月以上の契約であっても、利用者が生活の本拠として使用しているのか、寝具や清掃などの宿泊サービスを提供しているのかによって判断が異なります。

契約書上の名称だけでなく、実際の利用期間、料金体系、施設管理、サービス内容を確認する必要があります。

HOTEL BUSINESS OR MINPAKU

旅館業許可と住宅宿泊事業の違い

一般に「民泊」と呼ばれる営業方法には、旅館業法に基づく旅館業許可と、住宅宿泊事業法に基づく届出があります。

比較項目 旅館業許可 住宅宿泊事業
手続き 保健所の許可が必要 都道府県知事等への届出
年間営業日数 原則として年間日数の上限なし 年間180日以内
使用する建物 旅館・ホテル等として使用できる建物 住宅宿泊事業法上の住宅
主な施設基準 旅館業法、条例、建築、消防等の基準 住宅宿泊事業法、条例、消防等の基準
自治体独自の制限 構造設備や管理方法等の条例基準 営業区域や曜日等が制限される場合がある
宿泊者名簿 作成・保存が必要 作成・保存が必要
近隣への周知 自治体の条例等により必要 自治体のガイドライン等により必要
向いている営業 年間を通じて本格的に宿泊営業をしたい場合 住宅を活用して営業日数を限定する場合
旅館業許可が向いているケース
  • 年間180日を超えて営業したい
  • ホテルや旅館として本格的に運営したい
  • 一棟貸し宿泊施設を通年営業したい
  • ゲストハウスやホステルを開業したい
  • 宿泊事業を主な事業として運営したい
  • 住宅に該当しない建物を使用したい
住宅宿泊事業が向いているケース
  • 住宅を活用して宿泊者を受け入れたい
  • 年間180日以内の営業で問題がない
  • 自宅の一部や空き家を活用したい
  • 営業日数を限定して運営したい
  • 住宅宿泊事業法上の住宅要件を満たしている
  • 自治体の営業制限に対応できる
住宅宿泊事業は全国一律に180日営業できるとは限りません

住宅宿泊事業法では年間180日以内とされていますが、自治体の条例により、営業できる区域や曜日、期間などがさらに制限されることがあります。

物件所在地によっては、実際に営業できる日数が大幅に少なくなる場合や、事実上営業できない場合があります。

事業計画を立てる際は、年間180日という上限だけでなく、物件所在地の条例やガイドラインを確認することが重要です。

BUSINESS STYLE

どの営業方式を選べばよいか

営業方式は、施設の名称ではなく、建物の用途、施設構造、営業日数、宿泊者の利用方法などから判断します。

STEP 01
年間の営業日数を確認する

年間を通じて宿泊者を受け入れたい場合は、住宅宿泊事業ではなく、旅館業許可を取得する方向で検討します。

年間180日以内の営業でも、自治体の条例により営業日が制限される可能性があります。

STEP 02
建物が住宅か宿泊施設か確認する

住宅宿泊事業を行うには、台所、浴室、便所、洗面設備などを備えた住宅であることなど、法律上の住宅要件を満たす必要があります。

住宅としての要件を満たさない建物では、旅館業許可を検討します。

STEP 03
宿泊者による共用状況を確認する

客室を個別に使用するのか、ドミトリーのように宿泊場所を多数人で共用するのかによって、旅館・ホテル営業と簡易宿所営業の判断が異なります。

STEP 04
建築上の用途を確認する

建築確認や検査済証上の建物用途が、住宅、共同住宅、事務所、店舗などになっている場合は、旅館やホテルへの用途変更が必要になることがあります。

STEP 05
改修費用を含めて事業計画を立てる

旅館業許可では、保健所基準だけでなく、消防設備、避難経路、内装、採光、換気、給排水設備などの改修が必要になることがあります。

物件賃料だけでなく、設計費用や工事費用も含めて営業方式を検討します。

営業方式を先に決めつけないことが大切です

「簡易宿所なら許可を取りやすい」「民泊届出なら工事が不要」と一律に判断することはできません。

同じ物件でも、営業方法や施設構造によって必要な設備や手続きが変わります。

まずは物件図面と予定している営業内容を整理し、保健所、建築担当部署、消防署などへ確認します。

PROPERTY CHECK

物件を契約する前に確認するポイント

旅館業許可では、物件選びの段階で営業可能性を確認することが特に重要です。

物件契約前のチェックリスト
  • 旅館業を営業できる用途地域か
  • 学校などの周辺施設による制限がないか
  • 建築確認済証や検査済証が存在するか
  • 現況と建築図面が一致しているか
  • 違法増築や未登記部分がないか
  • 旅館・ホテルへの用途変更が必要か
  • 避難経路を確保できるか
  • 必要な消防設備を設置できるか
  • 客室面積や設備基準を満たせるか
  • 玄関帳場や宿泊者確認設備を設けられるか
  • 給排水設備や換気設備を改修できるか
  • 賃貸借契約で旅館業の使用が認められているか
  • 所有者から旅館業使用の承諾を得られるか
  • マンション管理規約で宿泊営業が禁止されていないか
  • 周辺住民への説明や苦情対応ができるか
01
賃貸借契約

住居専用や事務所専用など、使用目的が限定されている物件では、旅館業として使用できない可能性があります。

02
所有者の承諾

転貸や宿泊営業を行う場合は、建物所有者や賃貸人から明確な承諾を得る必要があります。

03
管理規約

区分所有マンションでは、管理規約や使用細則により、旅館業や民泊が禁止されていることがあります。

04
建物図面

不動産広告の間取り図だけではなく、建築確認時の図面や現況図面を確認する必要があります。

05
改修工事の可否

消防設備、間仕切り、換気、給排水、避難経路などの工事を、貸主や管理組合が認めるか確認します。

06
近隣環境

住宅密集地や共同住宅では、騒音、ごみ、喫煙、宿泊者の出入りなどへの対策も事前に検討します。

「旅館業許可取得可能」と書かれた物件でも確認が必要です

不動産会社の広告に「民泊可能」「旅館業相談可能」と記載されていても、許可取得を保証するものではありません。

旅館業法上の基準だけでなく、建築、消防、用途地域、条例、周辺施設、所有者の承諾などを個別に確認する必要があります。

契約する場合は、旅館業許可を取得できなかった場合の解除条件などを契約書へ設けることも検討します。

ZONING REGULATIONS

用途地域によって営業できない場合があります

都市計画法と建築基準法では、地域ごとに建築できる建物の用途が定められています。

用途地域を確認する理由

旅館やホテルを建築できない用途地域では、建物の設備が整っていても、原則として旅館業を営業できません。

また、敷地が複数の用途地域にまたがっている場合や、特別用途地区などの指定がある場合は、個別確認が必要です。

  • 物件所在地の用途地域
  • 特別用途地区の指定
  • 地区計画による用途制限
  • 建物敷地が複数地域にまたがっていないか
  • 自治体独自の建築条例
  • 学校や児童福祉施設等との位置関係
地図上の用途地域だけで判断しないよう注意します

インターネット上の用途地域マップは、物件調査の入口として便利ですが、それだけで営業可能と断定することはできません。

敷地境界、地区計画、特別用途地区、周辺施設、既存建物の用途などを含めて、自治体の建築担当部署へ確認します。

BUILDING STANDARDS

建築基準法上の確認事項

住宅や事務所として使用されていた建物を宿泊施設へ変更する場合は、建築基準法上の用途変更や改修が必要になることがあります。

01
建物用途の確認

建築確認済証、検査済証、建築計画概要書などから、現在の建物用途を確認します。

02
用途変更の確認

住宅、共同住宅、事務所、店舗などから旅館・ホテルへ変更する場合は、用途変更手続きの要否を確認します。

03
避難経路の確保

廊下、階段、出口など、火災や災害時に宿泊者が安全に避難できる経路を確保します。

04
内装制限

壁や天井に使用する材料について、防火上の制限が適用されることがあります。

05
採光・換気

客室の窓、換気設備、採光面積などが建築基準法や旅館業の基準に適合するか確認します。

06
違法増築の有無

増築部分や間取り変更が申請されていない場合は、現況と建築記録が一致せず、手続きが進まないことがあります。

検査済証がない物件は早めの確認が必要です

古い建物では、建築確認済証や検査済証が見つからないことがあります。

検査済証がないから直ちに旅館業許可を取得できないと決まるわけではありませんが、建築法令への適合状況を確認するため、建築士による追加調査が必要になる可能性があります。

契約前に、所有者へ建築関係書類の保管状況を確認しておくことが重要です。

FIRE SAFETY

消防設備と消防署への相談

宿泊施設は、不特定の宿泊者が就寝する施設であるため、一般住宅や事務所より厳しい消防設備を求められることがあります。

01
消火器

建物の規模や用途に応じて、所定の能力や本数の消火器を設置します。

02
自動火災報知設備

火災を早期に感知して建物内へ知らせるため、自動火災報知設備等が必要になる場合があります。

03
誘導灯

火災や停電時でも、宿泊者が出口や避難方向を確認できるように誘導灯を設置します。

04
非常用照明

停電時に避難経路を照らすため、建築基準法上の非常用照明が必要になることがあります。

05
防炎物品

カーテン、じゅうたんなどについて、防炎性能を有する製品の使用を求められることがあります。

06
消防法令適合通知書

旅館業許可申請では、消防署の確認を受け、消防法令への適合を示す書類の提出を求められることがあります。

消防署へ相談するときに準備したい資料
  • 建物の案内図
  • 敷地配置図
  • 各階平面図
  • 宿泊施設として使用する範囲
  • 建物の構造と階数
  • 延べ面積と宿泊部分の面積
  • 客室の位置
  • 避難経路と出入口
  • 既存消防設備の位置
  • 最大宿泊者数
内装工事を始める前に消防署へ相談します

内装工事が完了した後に消防署へ相談すると、火災報知設備の配線、誘導灯、間仕切り、避難経路などについて追加工事が必要になることがあります。

工事のやり直しを防ぐため、設計段階で消防署へ図面を持参して相談することが重要です。

PRELIMINARY CONSULTATION

保健所への事前相談

旅館業許可では、工事や申請書作成を始める前に、施設所在地を管轄する保健所へ事前相談を行います。

事前相談で確認する主な内容
  • 旅館・ホテル営業か簡易宿所営業か
  • 客室の位置と床面積
  • 最大宿泊者数
  • 玄関帳場等の設置方法
  • 宿泊者の本人確認方法
  • 緊急時の対応体制
  • 浴室、シャワー、洗面、便所の設備
  • 採光、換気、照明設備
  • 寝具やリネンの保管場所
  • 清掃と廃棄物処理の方法
  • 周辺住民への説明方法
  • 許可申請までの手続き順序
持参したい資料
  • 物件所在地が分かる案内図
  • 建物全体の各階平面図
  • 客室面積が分かる図面
  • 建築確認済証や検査済証
  • 賃貸借契約書
  • 建物登記事項証明書
  • 営業方法をまとめた資料
  • 最大宿泊者数の予定
事前に決めておきたい内容
  • 申請者が個人か法人か
  • 施設名称
  • 営業開始予定日
  • 旅館業の営業区分
  • 客室数と定員
  • 管理者や現地対応者
  • チェックイン方法
  • 予約受付方法
不動産広告の間取り図だけでは判断できないことがあります

広告用の間取り図には、正確な寸法、窓の大きさ、天井高、設備位置などが記載されていないことがあります。

旅館業許可の事前相談では、各室の寸法や設備位置を確認できる図面が必要になるため、現地測量や図面作成が必要になる場合があります。

FACILITY STANDARDS

旅館業許可の主な施設基準

旅館業許可を取得するには、客室だけでなく、受付設備、換気、採光、照明、浴室、洗面設備、便所などについて、法令や自治体条例の基準を満たす必要があります。

01
客室面積

営業区分、客室の構造、ベッドの有無、最大宿泊者数などに応じて、必要な床面積を確保します。

02
受付・本人確認設備

宿泊者の本人確認、鍵の受渡し、施設への出入りの確認ができる設備や運営体制を整えます。

03
換気・採光・照明

客室や共用部分に、衛生上支障のない換気、採光、照明、防湿、排水の設備を設けます。

04
入浴設備

宿泊者数や営業形態に応じて、浴室またはシャワー設備など、適切な規模の入浴設備を設けます。

05
洗面設備

宿泊者が支障なく利用できる数と規模の洗面設備を設置します。

06
便所

客室数、定員、男女別利用などを考慮し、適切な数と構造の便所を設けます。

07
寝具の保管

清潔なシーツ、布団、枕などを衛生的に保管し、使用済み寝具と区分できる場所を確保します。

08
清掃・廃棄物管理

客室や共用部分の清掃方法、ごみの保管場所、回収方法などをあらかじめ定めます。

09
緊急時の対応体制

火災、急病、設備故障、騒音などが発生した場合に、宿泊者からの連絡を受けて迅速に対応できる体制を整えます。

全国共通基準だけで許可の可否は判断できません

旅館業法施行令には全国共通の構造設備基準がありますが、自治体の条例や審査基準によって、受付設備、便所、洗面設備、管理体制などに追加の基準が設けられることがあります。

施設所在地を管轄する保健所へ図面を持参し、計画段階で確認することが重要です。

ROOM AREA

客室面積の基準

客室面積は、旅館・ホテル営業と簡易宿所営業で考え方が異なります。内法面積や壁芯面積など、自治体が採用する算定方法も確認します。

営業区分 客室面積の基本基準 主な注意点
旅館・ホテル営業 1客室につき7㎡以上 寝台を置く客室は原則9㎡以上
簡易宿所営業 客室の延床面積33㎡以上 宿泊者10人未満の場合は3.3㎡×宿泊者数以上
下宿営業 自治体の条例や審査基準を確認 長期宿泊に適した構造設備が必要
客室面積を計算するときの確認事項
  • 壁の内側で測るのか壁芯で測るのか
  • クローゼットや収納部分を含められるか
  • 浴室や便所を客室面積に含められるか
  • 廊下や玄関部分を含められるか
  • 吹き抜けや階段部分を含められるか
  • 二段ベッドやカプセル型寝台の設置基準
  • 最大宿泊者数に対して十分な広さがあるか
  • 建築図面と現況の寸法が一致しているか
面積基準を満たしていても定員を増やせるとは限りません

最大宿泊者数は、客室面積だけでなく、寝具の配置、避難経路、便所、洗面設備、入浴設備などを踏まえて決めます。

収益計画だけを基準に定員を決めるのではなく、建築・消防・保健所の基準を確認して設定する必要があります。

RECEPTION AND IDENTITY CHECK

玄関帳場と宿泊者の本人確認

旅館業では、宿泊者の本人確認、宿泊者名簿の正確な作成、鍵の適切な受渡し、宿泊者以外の出入りの把握が必要です。

玄関帳場を設ける方式
  • 宿泊者が施設利用時に通過する場所へ設ける
  • 宿泊者と従業員が対面できる構造にする
  • 従業員が受付事務を行える広さを確保する
  • 宿泊者の出入りを確認できる位置にする
  • 宿泊者名簿や鍵を適切に管理する
代替設備を使用する方式
  • 映像や通信機器で宿泊者を確認できる
  • 宿泊者名簿を正確に作成できる
  • 鍵を本人へ適切に受け渡せる
  • 宿泊者以外の出入りを確認できる
  • 緊急時に迅速に対応できる
01
対面確認

施設内のフロントなどで、従業員が宿泊者と直接対面し、氏名や住所などを確認します。

02
映像による確認

タブレットやカメラなどを利用し、鮮明な映像と音声によって宿泊者を確認する方法です。

03
鍵の受渡し

暗証番号式の鍵を利用する場合も、宿泊者本人にのみ適切に番号を通知できる仕組みが必要です。

キーボックスを設置するだけでは不十分です

施設入口にキーボックスを置き、予約者へ暗証番号を伝えるだけでは、実際に宿泊する人の本人確認や、宿泊者以外の出入りの確認ができない可能性があります。

無人運営を予定する場合は、本人確認設備、カメラ、通話設備、鍵の受渡し方法、緊急対応体制を一体として設計する必要があります。

REMOTE OPERATION

無人運営を行う場合の確認事項

ICT機器を利用する場合でも、宿泊施設の安全管理や緊急対応まで無人でよいという意味ではありません。

無人運営のチェックリスト
  • 宿泊者と映像・音声で連絡できる
  • 宿泊者本人であることを確認できる
  • 宿泊者名簿を正確に作成できる
  • 鍵や暗証番号を本人だけに通知できる
  • 施設入口や共用部分への出入りを把握できる
  • 宿泊者から24時間連絡を受けられる
  • 火災や急病時に現地対応できる
  • 騒音やごみなどの苦情に対応できる
  • 通信障害や停電時の代替手段がある
  • 個人情報やカメラ映像を適切に管理できる
01
連絡受付

宿泊者が施設の利用中に困った場合、いつでも電話や通信機器で連絡できる状態にします。

02
現地対応

火災、急病、設備故障などの緊急時に、現地へ迅速に到着できる担当者を確保します。

03
近隣対応

騒音、喫煙、ごみ出しなどの連絡を近隣住民から受けた場合に、速やかに対応できる体制を整えます。

管理者の所在地も確認されます

現地対応者が施設から遠い場所にいる場合、緊急時に迅速な対応ができないと判断される可能性があります。

施設から管理拠点までの距離、移動時間、夜間や休日の対応方法について、事前に整理しておく必要があります。

HYGIENE MANAGEMENT

営業開始後の衛生管理

旅館業では、施設を清潔に保ち、宿泊者が衛生的かつ安全に利用できるよう継続的に管理します。

01
客室清掃

宿泊者の入れ替わりごとに客室を清掃し、床、家具、設備などを清潔に保ちます。

02
寝具交換

シーツ、枕カバー、布団カバーなどは、宿泊者ごとに清潔なものへ交換します。

03
浴室・便所清掃

浴室、シャワー、洗面、便所などを定期的に清掃し、衛生状態を維持します。

04
換気・空調管理

換気設備や空調設備を適切に使用し、定期的な点検やフィルター清掃を行います。

05
害虫対策

ねずみ、昆虫などの発生を防ぎ、必要に応じて防除や専門業者への依頼を行います。

06
ごみ管理

宿泊者が出したごみを適切に分別・保管し、事業系廃棄物として処理する方法を確認します。

浴槽や循環設備がある場合

共用浴槽や循環ろ過設備を設置する場合は、レジオネラ属菌対策を含む、より詳細な水質管理や設備管理が必要になることがあります。

  • 浴槽水の交換と清掃
  • 循環配管やろ過器の洗浄
  • 消毒設備の管理
  • 水質検査の実施
  • 管理記録の作成と保存

GUEST REGISTER

宿泊者名簿の作成と保存

旅館業者は、宿泊者の情報を正確に記載した宿泊者名簿を作成し、適切に保存する必要があります。

記載項目 主な内容
氏名 実際に宿泊する人の氏名
住所 宿泊者の現在の住所
連絡先 電話番号など連絡可能な情報
宿泊年月日 到着日や出発日など
国籍・旅券番号 日本国内に住所を有しない外国人宿泊者の場合
予約者だけでなく実際の宿泊者を確認します

予約サイトの代表者名だけを宿泊者名簿へ記載するのではなく、実際に宿泊する人の情報を確認して記録します。

複数人のグループが宿泊する場合は、同行者を含めた宿泊者の情報を確認できる運用を整えます。

宿泊者名簿は3年間保存します

宿泊者名簿は、正確な記載を確保したうえで作成し、施設または営業者の事務所に備えて3年間保存します。

電子データで管理する場合も、必要なときに速やかに表示または印刷できる状態にしておくことが重要です。

REQUIRED DOCUMENTS

旅館業許可申請の主な必要書類

必要書類は自治体や施設の状況によって異なります。以下は一般的に準備する書類の例です。

書類 主な内容
旅館業営業許可申請書 申請者、施設名称、所在地、営業区分など
施設の案内図 最寄駅、道路、周辺施設、敷地位置など
配置図 敷地境界、建物位置、出入口など
各階平面図 客室、受付、浴室、便所、洗面、避難経路など
客室面積計算図 各客室の寸法と床面積
設備図 換気、給排水、照明、空調設備など
建築関係書類 検査済証、確認済証、用途変更関係書類など
消防関係書類 消防法令適合通知書など
法人の登記事項証明書 法人申請の場合
定款の写し 法人の目的や事業内容の確認
使用権限を示す書類 賃貸借契約書、所有者の承諾書など
周辺住民への周知関係書類 標識設置届、説明記録、配布資料など
図面に記載する主な内容
  • 建物の外形と敷地境界
  • 各階の間取り
  • 客室の名称と番号
  • 各客室の面積と定員
  • ベッドや布団の配置
  • 玄関帳場や本人確認設備
  • 浴室、シャワー、洗面、便所
  • 換気設備や窓
  • 寝具や清掃用具の保管場所
  • 廃棄物の保管場所
  • 出入口、廊下、階段、避難経路
  • 消防設備の位置
自治体ごとに追加書類があります

周辺施設との距離図、管理体制を示す書類、緊急連絡先、宿泊者への案内文、ごみ処理方法、近隣説明記録などを求められる場合があります。

申請書を作成する前に、管轄保健所の最新の申請案内と必要書類一覧を確認します。

APPLICATION FLOW

旅館業許可申請の流れ

旅館業許可は、保健所への申請だけで完了するものではありません。物件調査、関係部署との事前相談、工事、周辺住民への周知などを順番に進めます。

STEP 01
営業計画の整理

施設の種類、営業区分、客室数、最大宿泊者数、運営方法、営業開始予定日などを整理します。

STEP 02
物件調査

用途地域、建物用途、建築関係書類、賃貸借契約、管理規約、周辺施設などを確認します。

STEP 03
保健所への事前相談

施設図面と営業計画を持参し、営業区分、客室面積、受付方法、設備基準、必要書類などを確認します。

STEP 04
建築担当部署への確認

用途変更、検査済証、避難経路、内装制限など、建築基準法上の手続きと工事内容を確認します。

STEP 05
消防署への事前相談

必要な消防設備、工事届、使用開始届、消防法令適合通知書の手続きなどを確認します。

STEP 06
周辺住民への事前周知

自治体の条例に従い、標識の設置、戸別訪問、説明会、説明資料の配布などを行います。

STEP 07
設計・改修工事

保健所、建築担当部署、消防署との協議内容を反映し、必要な設備工事や内装工事を行います。

STEP 08
許可申請書の提出

工事内容や必要書類を整理し、施設所在地を管轄する保健所へ旅館業営業許可申請書を提出します。

STEP 09
消防検査

消防設備や避難設備の検査を受け、必要に応じて消防法令適合通知書などを取得します。

STEP 10
保健所の施設検査

保健所職員が現地を確認し、申請図面どおりに設備が設置されているか、衛生上の基準を満たしているかを検査します。

STEP 11
許可・営業開始

審査と施設検査を経て許可を受けた後、宿泊者名簿、標識、利用案内、緊急対応体制などを整えて営業を開始します。

申請書を提出しただけでは営業できません

旅館業許可申請を提出した段階では、まだ宿泊営業を開始できません。

保健所の審査と施設検査を受け、正式に許可が出てから予約受付や宿泊者の受入れを開始します。

PROFESSIONAL SUPPORT

富森行政書士事務所の旅館業許可サポート

旅館業許可は、保健所へ申請書を提出するだけの手続きではありません。物件調査、関係部署との事前相談、施設図面、近隣周知、消防・建築関係の確認などを順番に進める必要があります。

01
営業方式の確認

予定している営業内容を確認し、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、住宅宿泊事業などのうち、どの方式を検討すべきか整理します。

02
物件の営業可能性調査

用途地域、建物用途、建築関係書類、賃貸借契約、管理規約などを確認し、旅館業に使用できる可能性を調査します。

03
保健所への事前相談

物件図面や営業計画を整理し、管轄保健所へ施設基準、営業区分、受付方法、必要書類などを確認します。

04
関係部署との調整

建築担当部署、消防署、清掃事務所など、旅館業許可に関係する窓口と確認すべき事項を整理します。

05
施設図面の作成

案内図、配置図、各階平面図、客室面積計算図、設備配置図など、申請に必要な図面を作成します。

06
近隣周知のサポート

標識設置、周辺住民への説明資料、戸別訪問や説明会の記録など、自治体の手続きに合わせて準備します。

07
申請書類の作成

旅館業営業許可申請書、構造設備の概要、管理体制に関する書類などを施設の状況に合わせて作成します。

08
保健所への申請

必要書類を整理し、施設所在地を管轄する保健所への許可申請をサポートします。

09
検査・補正対応

保健所の施設検査までに確認すべき事項を整理し、審査中の補正や追加資料の提出にも対応します。

設計・工事の前からご相談いただけます

旅館業許可では、内装工事が完成した後に基準を満たしていないことが判明すると、追加工事や設計変更が必要になることがあります。

工事を始める前に保健所、消防署、建築担当部署の確認内容を整理し、設計者や施工業者と共有することが重要です。

富森行政書士事務所では、行政手続きの視点から、申請までに必要な準備を整理します。

SUPPORT DETAILS

主なサポート内容

物件の状況やご依頼内容に応じて、必要な業務を組み合わせてサポートします。

サポート内容 主な業務
許可要否の確認 営業日数、建物用途、宿泊方法などから必要な手続きを整理
物件調査 用途地域、建築用途、賃貸借契約、管理規約などの確認
保健所事前相談 営業区分、施設基準、受付方法、客室面積、必要書類の確認
関係行政機関との確認 消防署、建築担当部署、清掃事務所などへの確認事項の整理
図面作成 案内図、配置図、平面図、客室面積計算図、設備図など
周辺住民への周知 標識、説明資料、説明記録、報告書などの作成
許可申請書作成 申請書、構造設備概要、管理体制資料などの作成
申請代行 保健所への書類提出、補正、追加資料への対応
施設検査前確認 図面と現況、設備、掲示物、宿泊者名簿などの確認
許可取得後の届出 名称、申請者情報、施設設備などの変更届、廃止届等
建築設計や消防設備工事は専門業者との連携が必要です

用途変更の設計、建築確認申請、構造計算、消防設備の設計・施工などは、建築士、消防設備士、施工業者などの専門家が担当します。

行政書士は、旅館業許可申請に必要な行政手続きを整理し、関係者と情報を共有しながら申請を進めます。

SERVICE FEES

旅館業許可申請サポートの料金

施設規模、営業区分、図面の有無、近隣周知、関係部署との協議回数などによって料金が異なります。

サポート内容 行政書士報酬の目安 主な内容
旅館業許可事前相談 22,000円から 営業計画、物件資料の確認、手続きの整理
物件調査・行政確認 44,000円から 保健所、用途地域、建築、消防等の確認
簡易宿所営業許可申請 132,000円から 申請書類、図面、事前相談、申請対応
旅館・ホテル営業許可申請 165,000円から 申請書類、図面、事前相談、申請対応
近隣住民への周知手続き 55,000円から 標識、説明資料、戸別周知記録等の作成
施設図面作成 55,000円から 平面図、面積計算図、設備配置図など
変更届・廃止届 22,000円から 施設名称、営業者情報、設備等の変更
行政書士報酬以外の費用があります

旅館業許可申請では、自治体へ納付する申請手数料のほか、住民票や登記事項証明書などの取得費用がかかります。

建築士への設計費用、消防設備工事、内装工事、用途変更、測量、近隣説明会場などの費用は、行政書士報酬には含まれません。

正式なお見積りは物件資料を確認してご案内します

旅館業許可では、同じ床面積の施設でも、既存図面の有無、建物用途、客室数、消防設備、無人運営の方法などによって必要な作業量が変わります。

物件所在地、各階平面図、建築関係書類、予定する営業内容などを確認したうえで、サポート範囲と料金をご案内します。

SCHEDULE

旅館業許可取得までの期間

許可取得までの期間は、物件の状況、工事内容、近隣周知、消防設備、建築上の手続きなどによって大きく異なります。

段階 期間の目安 主な作業
営業計画・物件調査 2週間から1か月程度 用途地域、建築、契約、管理規約等の確認
関係部署との事前相談 2週間から1か月程度 保健所、建築担当部署、消防署との協議
設計・改修工事 1か月から数か月 内装、消防設備、換気、給排水等の工事
近隣周知 自治体所定の期間 標識設置、戸別訪問、説明会等
許可申請・審査 数週間程度 書類審査、追加資料、補正対応
施設検査・許可 検査日程により変動 消防検査、保健所検査、許可証交付
開業予定日から逆算して準備を始めます

大規模な改修や用途変更が必要な場合は、許可取得まで半年以上かかることもあります。

予約サイトへの掲載日や開業日を先に確定するのではなく、行政確認と工事工程を踏まえて余裕のあるスケジュールを立てることが重要です。

NEIGHBORHOOD NOTICE

周辺住民への事前周知

自治体によっては、旅館業許可申請の前に、施設周辺への標識設置や住民説明を行う必要があります。

STEP 01
周知対象区域を確認する

自治体の条例や規則に従い、敷地から一定範囲内の建物所有者、居住者、管理組合など、説明対象者を確認します。

STEP 02
標識を設置する

施設名称、所在地、営業者、営業計画、連絡先などを記載した標識を、施設の見やすい場所へ設置します。

STEP 03
説明資料を作成する

施設概要、宿泊定員、管理方法、騒音対策、ごみ処理、喫煙対策、緊急連絡先などをまとめます。

STEP 04
戸別訪問または説明会を行う

自治体の基準に従って、周辺住民への戸別説明や説明会を実施します。

STEP 05
質問や意見を記録する

周辺住民から寄せられた質問、意見、回答内容などを記録し、必要に応じて営業計画へ反映します。

STEP 06
周知結果を報告する

標識の設置状況、説明対象者、説明日時、説明内容などをまとめ、保健所へ報告します。

説明資料へ記載したい内容
  • 施設名称と所在地
  • 営業者の氏名または法人名称
  • 施設の構造と客室数
  • 最大宿泊者数
  • 営業開始予定日
  • チェックインと本人確認の方法
  • 管理者と現地対応者
  • 緊急連絡先
  • 騒音防止策
  • 喫煙対策
  • ごみの保管と処理方法
  • 宿泊者への利用ルール
周知は許可申請後ではなく申請前に行います

周辺住民への周知手続きを完了しなければ、旅館業許可申請を受理してもらえない自治体があります。

標識の設置期間や説明対象範囲が定められているため、開業予定日から逆算して準備します。

FINAL INSPECTION

保健所の施設検査前に確認すること

施設検査では、申請図面と実際の施設が一致しているか、設備が使用できる状態かなどを確認されます。

施設検査前チェックリスト
  • 申請図面と実際の間取りが一致している
  • 客室番号と定員表示が整っている
  • ベッドや寝具が予定どおり配置されている
  • 玄関帳場または本人確認設備が使用できる
  • カメラや通話設備が正常に作動する
  • 浴室、洗面、便所が使用できる
  • 換気設備と照明設備が作動する
  • 清潔な寝具の保管場所がある
  • 清掃用具と使用済み寝具を区分している
  • ごみの保管場所が確保されている
  • 消火器、誘導灯等の消防設備が整っている
  • 避難経路に物を置いていない
  • 宿泊者名簿の様式を用意している
  • 緊急連絡先を宿泊者へ表示している
  • 宿泊者向けの利用案内を用意している
図面と異なる工事を行った場合は事前に確認します

申請後に壁、扉、設備、ベッド配置などを変更すると、客室面積や避難経路、定員に影響することがあります。

現場判断で変更するのではなく、保健所、建築士、消防設備業者などへ確認してから工事を行います。

AFTER LICENSING

旅館業許可取得後の主な義務

旅館業許可は、許可証を取得した後も、宿泊者名簿、衛生管理、安全管理、変更届などのルールを守って営業する必要があります。

01
宿泊者名簿の作成

実際に宿泊する人の氏名、住所、連絡先、宿泊日などを確認し、宿泊者名簿へ正確に記録します。

02
本人確認

対面または適切なICT機器などを利用し、宿泊者本人であることを確認します。

03
衛生管理

客室、寝具、浴室、便所、洗面設備、換気設備などを清潔な状態に維持します。

04
緊急対応

火災、急病、設備故障、騒音などが発生した場合に、迅速に対応できる体制を維持します。

05
施設設備の維持

許可を受けた施設構造や設備を維持し、無断で客室や設備を変更しないようにします。

06
変更届の提出

営業者、施設名称、設備など、申請事項に変更が生じた場合は、所定の届出を行います。

宿泊者名簿の記載事項が変更されています

現在の宿泊者名簿では、宿泊者の氏名、住所、連絡先などを記載します。

以前の様式に記載されていた職業は削除され、連絡先が追加されているため、古い名簿様式を使用している場合は見直しが必要です。

CHANGES AND CLOSURE

変更届や廃止届が必要となるケース

許可申請時に届け出た内容を変更する場合や、営業を停止・廃止する場合は、管轄保健所への手続きが必要です。

変更内容 主な手続き 注意点
施設名称の変更 変更届 予約サイトや標識等の表示も変更
営業者の住所・氏名変更 変更届 個人営業者の改姓等を含む
法人名称・本店所在地変更 変更届 登記事項証明書等が必要となる場合がある
法人代表者の変更 変更届 法人自体が変わらない場合
施設設備の変更 事前相談・変更届 客室、定員、受付設備等は事前確認
営業の一部停止 停止届 停止する範囲や期間を確認
営業の全部停止 停止届 再開時の手続きも確認
営業の廃止 廃止届 許可証の返納を求められる場合がある
施設を別の住所へ移転する場合は新規許可が必要です

許可は施設の所在地と構造設備に対して行われるため、別の建物へ営業場所を移す場合は、単なる住所変更ではなく、新しい施設について許可申請が必要になります。

同じ建物内でも、宿泊施設として使用する階や区画を大きく変更する場合は、事前に保健所へ確認します。

変更や廃止は原則として10日以内に届け出ます

許可申請書に記載した事項に変更があった場合や、営業の全部または一部を停止・廃止した場合は、原則として10日以内に届け出る必要があります。

施設設備の変更については、変更工事を行う前に保健所へ相談することをおすすめします。

BUSINESS SUCCESSION

事業譲渡・相続・法人合併等の手続き

旅館業の営業者を変更する場合は、変更届だけで対応できないことがあります。

01
事業譲渡

旅館業を他の個人や法人へ譲渡する場合は、譲渡人と譲受人による地位承継の承認申請を検討します。

02
相続

個人営業者が死亡し、相続人が旅館業を継続する場合は、所定の期間内に相続による承継承認申請を行います。

03
合併・分割

法人の合併や分割によって営業を引き継ぐ場合は、法人の状況に応じた地位承継手続きを確認します。

譲渡契約を締結する前に保健所へ相談します

事業譲渡による承継制度を利用できるかどうかは、譲渡する事業の内容や施設の状況によって判断されます。

営業許可を当然に引き継げると考えず、譲渡契約や会社分割などの計画段階で管轄保健所へ確認することが重要です。

CASE STUDIES

旅館業許可に関するご相談事例

旅館業許可では、物件の種類や営業方法によって確認事項が異なります。代表的なご相談例をご紹介します。

CASE 01

戸建住宅を一棟貸し宿泊施設にしたい

戸建住宅を旅行者へ一棟単位で貸し出し、年間を通じて営業したいというご相談です。

主な確認事項
  • 用途地域
  • 建物用途と用途変更
  • 客室面積と定員
  • 消防設備
  • 本人確認と緊急対応

CASE 02

空き家を簡易宿所として活用したい

使用していない住宅を改修し、ゲストハウスや簡易宿所として活用したいというご相談です。

主な確認事項
  • 建築関係書類の有無
  • 違法増築の有無
  • 改修工事の内容
  • 簡易宿所の面積基準
  • 近隣住民への周知

CASE 03

マンションの一室で宿泊営業をしたい

所有または賃借しているマンションの一室を、宿泊施設として使用したいというご相談です。

主な確認事項
  • 管理規約
  • 賃貸人や所有者の承諾
  • 建物全体の用途
  • 共用部分の避難経路
  • 管理組合との調整

CASE 04

ゲストハウスを無人で運営したい

タブレット、スマートロック、監視カメラなどを利用し、受付担当者を常駐させずに運営したいというご相談です。

主な確認事項
  • 映像と音声による本人確認
  • 鍵の受渡し方法
  • 宿泊者以外の出入りの把握
  • 24時間の連絡体制
  • 緊急時の現地対応

CASE 05

民泊から旅館業へ切り替えたい

住宅宿泊事業の年間営業日数や自治体の営業制限を受けず、通年営業するために旅館業許可を検討するケースです。

主な確認事項
  • 用途地域
  • 建物用途
  • 旅館業の施設基準
  • 追加の消防設備
  • 近隣への再周知

CASE 06

既存ホテルの営業者を変更したい

ホテルや簡易宿所の運営会社を変更し、事業譲渡によって営業を引き継ぎたいというご相談です。

主な確認事項
  • 事業譲渡契約
  • 地位承継承認申請
  • 施設設備の変更の有無
  • 新営業者の管理体制
  • 予約サイト等の表示変更
同じ建物でも営業計画によって手続きが変わります

一棟貸し、客室単位の宿泊、ドミトリー形式、有人受付、無人受付など、営業方法によって必要な設備や管理体制が異なります。

物件資料だけでなく、最大宿泊者数、チェックイン方法、現地管理者、ごみ処理、清掃方法なども含めて確認します。

WHY CHOOSE US

富森行政書士事務所が選ばれる理由

旅館業許可が取得できるか分からない段階から、行政機関への相談、申請書類の作成、許可取得後の手続きまで分かりやすくサポートします。

01
物件選びの段階からご相談可能

契約後に許可を取得できないという事態を防ぐため、用途地域、建物用途、契約内容などを物件契約前から確認します。

02
営業方式から整理

旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、住宅宿泊事業など、予定する営業内容に合った手続きを整理します。

03
法律初心者にも分かりやすく説明

建築用途、用途変更、玄関帳場、客室面積などの専門用語を、実際の施設計画に置き換えてご案内します。

04
複数の行政窓口を整理

保健所だけでなく、消防署、建築担当部署、清掃事務所など、確認が必要な行政窓口と手続きの順序を整理します。

05
申請図面の作成に対応

案内図、配置図、各階平面図、客室面積計算図、設備配置図など、旅館業許可申請に必要な図面を作成します。

06
近隣周知にも対応

標識設置、周知資料、戸別訪問や説明会の記録など、自治体の手続きに合わせた書類を準備します。

07
無人運営にも対応

ICT機器による本人確認、スマートロック、現地対応者など、無人運営に必要な設備と管理体制を整理します。

08
検査前までサポート

申請後の補正対応だけでなく、保健所による施設検査までに確認すべき設備や書類を整理します。

09
許可取得後の変更にも対応

施設設備、営業者情報、施設名称の変更、営業廃止、事業譲渡による地位承継などもご相談いただけます。

旅館業許可の取得を保証するものではありません

物件や営業計画が法令上の基準を満たしていない場合は、改修工事や計画変更が必要になることがあります。

また、建築上の問題や用途地域の制限などにより、許可取得が困難となる場合もあります。

調査結果や行政機関との協議内容を踏まえて、許可取得に向けた対応方法をご案内します。

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

旅館業許可に関するよくある質問

旅館業許可申請や物件選びについて、よく寄せられるご質問をまとめました。

戸建住宅でも旅館業許可を取得できますか?
用途地域、建築上の用途、構造設備、消防設備などの基準を満たせる場合は、戸建住宅でも旅館業許可を取得できる可能性があります。ただし、住宅から旅館・ホテルへの用途変更や改修工事が必要になることがあります。
賃貸物件でも旅館業許可を申請できますか?
賃貸物件でも申請できる可能性があります。ただし、賃貸借契約で旅館業としての使用が認められていることや、所有者から宿泊営業と必要な改修工事について承諾を得ていることが重要です。
マンションの一室でも許可を取得できますか?
建築、消防、旅館業の基準を満たし、管理規約で宿泊営業が禁止されていない場合は、取得できる可能性があります。共用廊下や階段を含む避難経路、建物全体の用途、管理組合の規約なども確認します。
物件を契約してから相談してもよいですか?
契約後でも相談できますが、できる限り契約前の確認をおすすめします。契約後に用途地域や建築上の問題が判明すると、許可を取得できなかったり、高額な改修工事が必要になったりする可能性があります。
民泊の届出と旅館業許可のどちらがよいですか?
年間の営業日数、建物の用途、自治体の営業制限、改修費用などによって異なります。年間180日を超えて通年営業したい場合は、旅館業許可を検討することになります。
簡易宿所なら簡単に許可を取得できますか?
簡易宿所営業にも、客室面積、換気、採光、洗面、便所、消防設備、本人確認などの基準があります。旅館・ホテル営業より必ず簡単に取得できるとは限りません。
一棟貸しは簡易宿所営業になりますか?
一棟貸しというだけで簡易宿所営業になるわけではありません。宿泊場所を多数人で共用する構造か、一組が客室を専用する構造かなどにより、旅館・ホテル営業として扱われる場合があります。
受付スタッフを常駐させる必要がありますか?
自治体の基準を満たす本人確認設備、通信設備、鍵の受渡し方法、緊急対応体制などを整えることで、受付スタッフを常駐させない運営が認められる場合があります。
キーボックスだけで無人運営できますか?
キーボックスで鍵を渡すだけでは、宿泊者本人の確認や、宿泊者以外の出入りの把握が不十分となる可能性があります。映像・音声による本人確認や緊急連絡体制などを含めて設計します。
建築確認済証や検査済証がなくても申請できますか?
書類が見つからないから直ちに申請できないと決まるわけではありませんが、建築法令への適合状況を確認するため、建築士による調査や追加資料が必要になる可能性があります。
旅館業許可には消防署の手続きも必要ですか?
はい。建物の規模や構造に応じて、自動火災報知設備、誘導灯、消火器などの設置や、消防法令適合通知書の取得が必要になる場合があります。
近隣住民の同意がなければ許可されませんか?
周辺住民全員の同意を許可要件としているとは限りません。ただし、自治体の条例等に基づく標識設置、説明会、戸別訪問などの周知手続きを適切に行う必要があります。
近隣説明は行政書士に依頼できますか?
周知対象者の整理、標識や説明資料の作成、説明記録や報告書の作成などをサポートできます。実施方法や対応範囲は、自治体の手続きと施設の状況に応じてご案内します。
申請してから許可までどれくらいかかりますか?
保健所へ申請した後の審査だけでなく、事前相談、近隣周知、改修工事、消防検査などが必要です。小規模施設でも数か月程度、大規模な工事や用途変更を伴う場合は半年以上かかることがあります。
許可申請中に予約を受け付けてもよいですか?
許可取得前に宿泊者を受け入れることはできません。予約受付についても、許可取得時期が確定していない段階で宿泊契約を成立させるとトラブルになる可能性があるため注意が必要です。
飲食物を提供する場合は別の許可が必要ですか?
宿泊者へ朝食や夕食などを調理して提供する場合は、営業内容に応じて飲食店営業許可などが必要になる可能性があります。旅館業許可とは別に保健所へ確認します。
酒類を販売する場合は別の手続きが必要ですか?
宿泊者へ酒類を販売する方法によっては、酒類販売業免許などの確認が必要です。飲食店として店内で提供する場合と、持ち帰り用として販売する場合では手続きが異なります。
旅館業許可に更新期限はありますか?
一般的な旅館業許可には定期的な更新制度はありません。ただし、施設名称、営業者情報、構造設備などを変更した場合は、変更届や事前相談が必要です。
客室数や宿泊定員を変更できますか?
客室の増減、間取り変更、定員変更は、施設基準や消防設備、避難経路に影響します。工事や運用変更を行う前に、保健所、消防署、建築担当部署へ確認する必要があります。
旅館業を別の会社へ譲渡できますか?
一定の要件を満たす事業譲渡では、行政庁の承認を受けることにより、譲受人が旅館業営業者の地位を承継できる場合があります。譲渡契約を締結する前に管轄保健所へ相談します。
行政書士へどの段階で相談すればよいですか?
物件を契約する前の段階でご相談いただくことをおすすめします。物件所在地、間取り図、建築関係書類、営業方法などが分かると、確認すべき項目を具体的に整理できます。

CONSULTATION DOCUMENTS

ご相談時にご用意いただきたい資料

すべて揃っていなくてもご相談いただけます。お手元にある資料から確認します。

物件に関する資料
  • 物件所在地
  • 不動産会社の募集資料
  • 建物の間取り図
  • 各階平面図
  • 建築確認済証
  • 検査済証
  • 建築計画概要書
  • 建物登記事項証明書
  • 賃貸借契約書案
  • マンション管理規約
営業計画に関する情報
  • 予定する施設名称
  • 旅館・ホテルまたは簡易宿所の希望
  • 客室数
  • 最大宿泊者数
  • 開業予定日
  • 営業日数
  • 有人運営または無人運営
  • チェックイン方法
  • 現地管理者の予定
  • 食事や酒類提供の予定
図面がない場合もご相談ください

不動産広告の間取り図しかない場合や、古い建物で建築図面が残っていない場合もあります。

現地調査や採寸、建築士への確認など、次に必要となる作業を整理します。

旅館業許可の物件選び・申請でお困りではありませんか

旅館業許可では、物件を契約した後に用途地域、建築、消防、保健所基準の問題が判明すると、事業計画を大きく変更しなければならないことがあります。

富森行政書士事務所では、物件資料と営業計画を確認し、旅館業許可の取得に向けて必要となる手続きや課題を整理します。

戸建住宅の一棟貸し、簡易宿所、ゲストハウス、ホステル、ホテル、民泊から旅館業への切替えなど、お気軽にご相談ください。