「いつから始まる?育成就労制度とは」年間1万人が失踪する技能実習制度の問題点と違いについて解説

はじめに|なぜ今「育成就労制度」が注目されているのか
「技能実習生が失踪している」
「低賃金・人権侵害が問題になっている」
「新しい制度が始まると聞いたが、いつからなのか分からない」
こうした疑問や不安の背景にあるのが、技能実習制度の限界と、
それに代わる新制度として創設される育成就労制度です。
本記事では、
- 育成就労制度とは何か
- いつから始まるのか
- 技能実習制度の問題点(失踪問題を含む)
- 両制度の具体的な違い
を、実務家である行政書士の視点から、分かりやすく解説します。
育成就労制度とは【育成就労制度】
育成就労制度の基本的な位置づけ
育成就労制度とは、
これまでの技能実習制度を廃止し、新たに創設される外国人受入れ制度です。
最大の特徴は、
👉 「国際貢献」ではなく「人材確保」を正面から目的にした制度
である点です。
専門用語補足:技能実習制度とは
技能実習制度は本来、
開発途上国等の外国人に日本の技能を移転し、
母国の経済発展に寄与する
という国際貢献を目的とした制度でした。
しかし、実態としては
👉 人手不足産業の労働力確保に使われてきた
という問題が指摘されてきました。
育成就労制度はいつから始まる?【育成就労制度 いつから】
結論から
👉 育成就労制度は「2027年までに施行」される予定です。
ただし、
- 正確な施行日
- 具体的な運用開始日
- 経過措置の詳細
については、**現時点では未確定(不明)**です。
図で見る制度移行イメージ
【制度の流れ(イメージ)】
技能実習制度
↓(廃止)
育成就労制度(新設)
↓
特定技能へ移行しやすくする
👉 育成 → 就労 → 定着
という流れを制度として明確化する点が、従来制度との大きな違いです。
技能実習制度の問題点【技能実習制度 問題点】
技能実習制度は、長年にわたり次のような問題を抱えてきました。
問題① 年間1万人規模とされる「失踪」問題【技能実習 失踪】
技能実習生の失踪者数は、
- 年間で約9,000人〜1万人規模
と公表・報道されることが多くあります。
※年度による増減はありますが、
恒常的に高い水準で推移していることは事実です。
なぜ技能実習生は失踪するのか(実例)
実例① 賃金トラブルによる失踪
- 技能実習生(20代・男性)
- 実際の手取りが説明より大幅に低い
- 長時間労働が常態化
➡ 相談先が分からず、職場を離脱
問題② 転職が原則不可
技能実習制度では、
👉 実習先を自由に変更できない
という大きな制約があります。
専門用語補足:転籍
やむを得ない事情がある場合に限り、
例外的に受入先を変更する制度ですが、
実務上はハードルが高いのが実情です。
問題③ 監理団体・受入企業への依存構造
- 実習生は監理団体に強く依存
- 情報格差が大きい
- 不利益を訴えにくい環境
👉 構造的に弱い立場に置かれやすいことが問題とされてきました。
育成就労制度で何が変わるのか【育成就労制度 違い】
最大のポイントは「転職の可能性」
育成就労制度では、
👉 一定条件のもとで転職(受入機関の変更)を可能にする方向
が示されています。
図で比較|技能実習制度との違い
| 比較項目 | 技能実習制度 | 育成就労制度 |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 国際貢献(技能移転)が建前 | 人材確保・人材育成を明確に目的 |
| 制度の性格 | 「研修・実習」が前提 | 「労働者」としての就労が前提 |
| 労働者性 | 実態は労働者だが制度上あいまい | 労働者性を明確化 |
| 転職(転籍)の可否 | 原則不可(例外のみ) | 一定条件のもとで可能 |
| 受入先の変更 | 非常に困難 | 制度上認める方向 |
| 賃金水準 | 最低賃金違反等の問題が多発 | 適正賃金の確保を前提 |
| 失踪リスク | 高い(年間約1万人規模とされる) | 失踪抑止を制度目的の一つとする |
| 失踪の背景 | 低賃金・長時間労働・相談先不足 | 転職可能性により抑止を狙う |
| 在留の将来像 | 原則帰国 | 特定技能への円滑な移行を想定 |
| 人材の定着 | 想定されていない | 日本での定着を想定 |
| 監理団体の役割 | 強い影響力を持つ | 見直し・役割変更が予定 |
| 制度の評価 | 国際的批判が多い | 改善制度として期待 |
| 開始時期 | 既存制度(廃止予定) | 2027年までに施行予定(詳細不明) |
実例② 育成就労制度で想定されるケース
- 外国人労働者(入国2年目)
- 労働条件が著しく不適切
- 一定の日本語能力あり
➡ 別の受入企業へ移動
➡ 不法就労・失踪を防止
特定技能との関係【育成就労制度 特定技能】
育成就労制度は、
👉 特定技能への円滑な移行を前提
とした制度設計になっています。
これにより、
- 「短期間で使い捨て」
- 「失踪 → 不法滞在」
という流れを断ち切ることが狙いです。
それでも残る課題(現時点)
育成就労制度については、
- 日本語教育の具体内容
- 転職条件の詳細
- 地域・業種の制限
など、未確定な点(不明)が多く残っています。
👉 制度が始まれば、
企業側・外国人側ともに正確な理解が不可欠です。
行政書士が果たす役割
- 技能実習から育成就労への移行整理
- 受入企業の制度対応サポート
- 外国人本人への制度説明
- 特定技能へのステップ設計
制度移行期は、
誤った理解が重大な法令違反につながりやすい時期です。
まとめ|育成就労制度は「失敗の反省」から生まれた制度です
- 技能実習制度は多くの課題を抱えていた
- 年間1万人規模とされる失踪問題は象徴的
- 育成就労制度は「人材として育て、定着させる」発想
- ただし詳細は今後の政省令・運用次第
制度変更に不安がある事業者様、
外国人雇用について正確に理解したい方は、
一度、行政書士事務所へご相談ください。
制度を正しく理解することが、
トラブルを防ぎ、持続可能な雇用につながります。
